こころあそびの記

日常に小さな感動を

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

竹の秋

竹の秋。 この時期、竹林は風が吹くたびに黄変した葉がはらはらと散っていきます。筍という子どもにいのちを渡して、更に子どもを守るように散り敷く姿は春の別れそのものです。「わが屋戸のいささ群竹吹く風の 音のかそけきこの夕べかも 家持」 旧暦4月に…

「懐徳堂」

人間の欲は数限りないものです。中でも、知りたいという欲望は誰もが持つものであることは、朝からテレビ、ラジオが情報番組を垂れ流していることからも分かります。 そして、今日では、SNSという強敵も現れて既存のマスコミも盤石ではなくなりました。何も…

桜が教えてくれること

「 春の寺 室生犀星作 うつくしきみ寺なり み寺にさくられうらんたれば うぐひすしたたり さくら樹にすずめら交(さか)り かんかんと鐘鳴りてすずろなり かんかんと鐘鳴りてさかんなれば をとめらひそやかに ちちははのなすことをして遊ぶなり 門もくれない炎…

あの頃は

朝から、しとしと菜種梅雨。 こんな日は、何もすることがなければうとうとしたくなってしまいます。 思いきってお出かけしてみることにしました。 行き先は、昨日、当日券の有無を確かめておいたシンフォニーホールです。 開会は”東京オリンピック、ファンフ…

大阪城

今朝は上六まで勉強会に行く途中、大阪城公園駅で降りて公園を一周しました。よく、あちこち行ってますねと言われるのですが、何のことはない、用事ついでに遠足しているだけなんです。 私は、大阪城のお膝元で小学生時代を過ごしました。 「咲くやこの花 な…

おいしいパン屋さん

通勤途中、道上洋三さんの番組にトップブロガー”ひとみさん“が出演されていました。 若い方のアイデアと美味しそうな写真と言葉使いがフォロワーを惹きつけているようです。その道の専門家である道上さんも言葉の使い方が上手いとおっしゃっていました。 本…

聖火リレーGOGO!

「芸術は爆発だ」と叫ぶようにおっしゃっていた岡本太郎さんは、大阪人にその魂をぶち込んで下さった恩人です。 彼は大阪万博会場のお祭り広場に今も力強く立ち続けている「太陽の塔」を残して下さいました。50年間、そして今日も見上げる人にエネルギーを分…

うれしかったこと

映画「痛くない死に方」が高評価を得ているといううわさ。ざっくりいうと、新米医師が迷いながらも、在宅医として成長していくお話です。 医療は病院でも在宅でも同じではとお思いの方が大半だと思います。私も医療関係で仕事をしているのにそんな風に思って…

桜餅の香り

例年になく早い開花となった桜。昨日は東京と福岡で満開になったと報じられました。 どうして東京と福岡なの?と思われませんか。これには桜さんに深~い事情があるそうです。 冬期(11、12、1月)の温度が低いほど目覚めがよろしいそうです。東京は大阪よりも…

菜の花

『朧月夜』 菜の花畑に入り日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし 春風そよ吹く 空を見れば 夕月かかりて にほひ淡し 菜の花畑を見かけることもなくなりました。その昔には菜種油が貴重であったので、各地で栽培されていたようです。 「朧月夜」の作詞をした高野辰…

大和路散策

桜の開花宣言が各地から届く頃になって、ようやく春が来たと感じさせるやいなや春の嵐がやってきました。蕾を開いてくれると信じて「花越こし」の雨音を聞いています。 長らく出かけていないので、写真入りの本で「仏像を観る」ことにしました。 私達世代の…

春分

今日は二至二分の一つ「春分」です。 昔の人が天象を見るとき、いちばん分かりやすかったのは夏至と冬至(二至)、ついで春分と秋分(二分)だったのではないでしょうか。この四つ、つまり四季からもう少し農作業に役立つ情報をと二十四節気が編み出され、さらに…

轟さんの退団発表

宝塚歌劇団から轟さんの退団が発表されました。 春日八千代さんの後継者として、ずっと歌劇団に残られるものと思い込んでいたため、近頃、心が向いていなかったことを悔やむ自分がいます。 誰かを応援するということは、自分を応援するということと同じ意味…

風味

朝刊に「風味はお日様の匂い」と書いておられた方があったので、今日は「味」のお話です。 春は肝が旺盛になる季節です。その肝を助ける味は「酸味」です。春は風の季節でもあるので、象徴である木々は風に吹かれてゆらゆら揺れます。 冬の間、固く閉ざされ…

春の楽しみ方

今週も植物園へ行ってきました。 これからの二、三ヶ月は一週間もご無沙汰したら、あれ~?まさかの花盛りという木々に驚かされます。 春に急かされるとは・・・ “のたりのたり”とゆったりとしたのどけさを詠んだ蕪村と、”たえて桜のなかりせば“と嘆きの在原…

葛根湯

「いつも葛根湯をお湯で飲んでくださいねと説明されますが、(葛根)湯と”湯“が付くからですか?」と質問されました。 ”~湯“と「湯」が付いているものは生薬を煎じたもの。“~散”の「散」は生薬を粉末にしたもの、“~丸“と「丸」が付いているものは生薬を粉末…

新聞休刊日に

いつもの習慣でポストに手を入れる。あれっ?そうか、今日は休刊日だったとがっかりして昨日の新聞をまた開いてみたり・・ 新聞が各家庭に届く国は日本だけと聞きます。誰が考え出したシステムなのでしょう。この豊かな配布も、若者が要らないと言えば終わっ…

つばき図鑑

赤いつばき 白い椿 斑入り椿も咲きにけり。 椿が花盛りです。 昨夜BSで「東大寺 お水取り」が生放送されて、その堂内には和紙の椿が飾られているとアナウンスがありました。今年もこのお仕事を賜って見事に納められた方々に感謝申し上げます。 今は花屋さん…

春雷

夜来の春雷と雨風が止んで、何事もなかったような静かな朝です。 春は美しく柔らかというイメージですが、昨晩のようなことがあると人間の観察を統計学として作り上げた古代の人々に否応なく思いを馳せてしまいます。 やれ温暖化だ、自然破壊だと地上で騒い…

常磐木落葉

庭の泰山木が大きな葉っぱを落とす準備を始めています。その葉は柔な竹箒では逃げるくらい堅くてたくさん落ちます。もうすぐ、その時期がやってくる。秋ではないのは何故かしらといつも不思議に思っていました。 先日、大阪市立大学理学部附属植物園を訪ねた…

薬剤師という仕事

「7番の札をお持ちの方」と、小窓を開けて薬を渡された。そんな記憶をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。 薬剤師の仕事は、医者が処方した薬を間違いなく患者さんに投薬するということは今でも変わりはないのですが、先に書いたような単純作業から…

「感謝」

幼な子は誰かに何かをもらったら「ありがとうと言いなさい」と母から教えられます。 この時、子供はうれしい時には「ありがとう」と言うんだと覚えます。相手の方に「えらいね」とほめられる言葉なのだと学びます。 少し大きくなってくると、親は「感謝しな…

桃の花

「春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ乙女 大伴家持」 ふと、桃の花が恋しくなりました。通りすがりのお花屋さんの店頭を見渡しましたが、早くも桃は見当たらず早咲きの桜ばかりが並んでいました。 桃は桃色。孫がそれはピンク色だよと言いますが、いや…

蕗の薹

「シャンシャン行こか!」と声をかけたら、「えっ、ホント?行く行く!」と起き上がってクルクル回るんですよね。犬は大昔から人間の友達。 昨日も、日の出に合わせてこの相棒と散歩しました。 辛夷が見たくて、キョロキョロ。亀岡に抜ける裏街道で、農家と…

最期の時

「痛くない死に方」なんて、どれほど真剣に生きたら、こんなド直球な題名を付けられるのでしょう。 先週末から公開されているこの映画は、長尾和宏医師の研修医から今に至るまでの道程が描かれています。 医学部で学ぶことは、「いかに死なせないか」という…

萌え出づる春

「岩走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりに けるかも 志貴皇子」 春になれば口ずさみたくなるお歌です。 春になったよろこびと清々しさを歌い込んで、しかもそのリズムが体に残ります。 その情景の垂水が摂津国にあることは嬉しいに尽きます。当時の…

春雨の音

先日、近畿地方では三年ぶりとなる“春一番”が3月2日に吹いたと報道がありました。その年の春一番に吹く南風のことと思っていましたが、そうではないことを初めて知りました。 条件があるそうです。 ①立春から春分まての期間 ②低気圧が日本海にある ③南寄り…

春の妖精

職場近くにある植物園に行ってきました。そこで出会った妖精のお話。 今日は園の探索を反対周りで歩いてみようと思い立ち、なだらかな坂道を上っていたところ、前からリュックを背負ったご老人が下りてこられました。 「カタクリが芽を出していますよ」 「え…

うれしい朝

「灯りをつけましょ 雪洞に お花をあげましょう 桃の花 五人囃子の笛太鼓 今日は楽しい ひなまつり」 今日は雛祭り。 中国では奇数が陽、偶数が陰と数えられます。3月3日は3が重なるので、陰陽のバランスから見ると偏りのある日と考えたのでしょう。その日は…

よみぃコンサート

今朝、ユーチューブを開いたら、ストリートピアノでどんな曲でも弾いてしまうヨミィさんのヤマハホールコンサートが出てきました。 音響はもちろんヤマハさん、音源はベーゼンドルファーという二千万円のピアノ。それから弾き手はヨミィさんという豪華コンサ…