先日、NHK「おはよう日本」で紹介されていたこの本。
作者の加藤しげあきさんがジャニーズのアイドルグループの一員であることを娘から聞いて興味しんしん、早速に取り寄せました。
番組で紹介された「自分をもっと好きになること」というフレーズが気になって、若くしてこんな境地にすでに到達できていることに驚きと期待を持ったのですが、届いた本の帯に記されていたので、あぁキャッチされてしまったと少々食傷気味になりつつ読み始めました。
私達の世代の青春小説は「青春の門」(五木寛之著)が金字塔として輝いています。そのドロドロ感と「オルタネート」の無味無臭さは時代の変化をよく表出しているように思いました。
すなわち20世紀が物質の時代、21世紀は精神の時代といわれている通りの変化です。
物体(身体)を介さなくても繋がっていけるということは、今まさにコロナが証明しようとしています。
この先、人々がどのような形で繋がろうとするのか。それが何であっても繋がりたい心は変わらないと信じます。
物語の中に度々登場する記憶の断片。そこにいてもいなくても私達は誰かと関わった記憶でできあがっているのかもしれません。そこに若い加藤シゲアキさんと思いを共有できたことは嬉しいことでした。
帯に記されたキャッチーな言葉「自分をもっと好きになる」。これを会得する事がこの世の最大の課題であると私は思っています。