こころあそびの記

日常に小さな感動を

唐揚げのコツ

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 昨日の産経朝刊の朝焼けエッセイを読んで、久しぶりに母を思い出してしまいました。
 84歳の女性が投稿されていたのですが、文章の中に登場した「辻徳光さん」に目が釘付けになりました。
「壁に投げつけて落ちてしまうようではだめ!」これは何を作るときの極意でしょう(笑)。答えは黒豆の煮方です。壁にペタッとくっ付くほどに柔らかく炊きなさいという教えです。
 日本割烹学校を大阪に開いてくださったおかげで、私達母娘はお料理の基礎を叩き込んでいただきました。
 明治25年生まれのおばあちゃんと同い年の徳光先生。豪快な教え方が目に浮かぶようです。当時の花嫁候補の娘さんたちをクスクス笑わせながら楽しい講義をされたことでしょう。先生の教えを受けた母に育てられたおかげで娘の私までお料理することが楽しくてたまらない人間に育ちました。
 息子さんの勲先生には私がお世話になりました。
 特別講義の日はワクワク。勲先生は背も高く、短髪、薄い色付き眼鏡、ブランドと思しきネクタイで颯爽と現われます。家に帰ると必ず母がその日の彼の様子を尋ねます。母が徳光先生にお習いしてた頃は、若き勲先生が娘たちの憧れだったように想像します。
 そんな辻クッキングスクールのレシピが何十年を経ても私の体に染み付いています。
 特に家族に好評なのが鳥の唐揚げです。「美味しい!お店したら」といつも誉め言葉を頂戴して照れる私ですが、
そのコツは“イラチ”だと思います。料理と性格は切っても切れない密な関係。それはまた今度。