こころあそびの記

日常に小さな感動を

乙女座気分

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 夜明け前の漆黒の闇、という言葉には後一息だよ!という捉え方が多いようですが、その暗さゆえに星の美しさが際立つ時刻ですと教えてくれたのは、藤井旭著「夜明け前の星空」という本でした。
 この楽しみを満喫するには一年のうちで今が一番良いときです。何故なら、これからは日の出がどんどん早くなってスーパー早起きしないと夜明け前という時間に間に合わなくなるからです。
 今なら、5時でも大丈夫。
 真っ暗な空に浮かぶ星々の揺らめく瞬きを見ていると浄化されるように感じます。
 「天の時計」といわれる北斗七星。なんてかっこいい名前でしょう。北極星の周りを一晩でぐるっと一周して時間を、日没後の柄の向きで季節表します。
 現在、冬の星座は西に沈み、朝の空はすでに春です。その北斗七星の柄を延ばすとアークツルス、スピカと春の放物線を描けます。
 今朝、アークツルスの煌めきを見上げていたら、宇宙船が横切って行くのが見えました。昔の人が目にしなかっただろうことを見ている自分を不思議な感覚になりながら見送りました。時空を越えて古代人の姿と自分が重なるように思えるのも、星見の醍醐味です。
 東の空には夏の星である一等星のベガが輝いています。昔、子どもたちを播磨天文台に連れて行ったとき、「ベガは12000年後には北極星になります」と説明を受けたことを懐かしく思い出します。
 そうこうしているうちに、薄明になり一つ二つと星が消えていき、全天に月だけが残ります。
 今日の月齢は23.9。あと6日で新月。そして新しい年が始まるのです。2月12日が今年の春節、丑年のお正月です。
 月の朔望を感じながら生活するのも一興かと思います。