こころあそびの記

日常に小さな感動を

啓蟄には少し早いけど・・

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 朝の散歩道。菜の花畑に埋もれるようにして、作業されている方がありました。
「おはようございます。何をなさっているのですか?」
「芽を摘んでいるのです」
「どうして?」
「塩漬けにするんです」
 予想に反して、優しいお声でしたので、ついでに植え付けの済んだ作物も教えてもらいました。イチゴ、エンドウ豆、空豆・・もう春の準備がすっかり完了していました。
 啓蟄には少し早いですが、蜜蜂の絵本を読みました。
 蜜蜂が冬眠から覚めて初めにすることは、30分間の飛行で溜まった毒素を払うことだそうです。人も虫も春は体を動かすことから始めることが自然の決まり事なのですね。
 蜜蜂は一億年以上前から地球上に存在していますから、その賢さをヒントにしていることがたくさんあります。
 蜂の巣の六角構造の頑丈さは「ハニカム構造」として建築に応用されていますし、今後活躍が期待されるドローンは雄蜂という意味です。だから、羽音を響かせて飛ぶのですね。あのうるさい飛行音も蜜蜂だと思えば許せる気がしてきました。
 蜜蜂は花から花へと蜜を集めるために飛び回っているばかりではなく、忘れてならないのは、花との約束である交配という大きな仕事をしているということです。
 今のところ人間の力ではできない壮大な作業ですから、蜜蜂の送粉(受粉作業)がなくなれば、私たちの食糧事情にも重大な影響をもたらすそうです。。アーモンドもコーヒーも彼らの働きのおかげの産物だなんて、あんな小さな虫がなんと大きな仕事をしてくれていることでしょう。
 古代から人々に愛されてきた小さないのち。逞しく生きる彼らから受ける恩恵が計り知れないことを教えられました。豆の花、イチゴの花を飛び回る虫たちを愛おしく思う春になりそうです。
 小匙一杯の蜂蜜は、4~7匹の蜜蜂が一生をかけて集める量だと思うと、毎朝、ヨーグルトにかけるときも「ありがとう」しかありません。