府立大学でご縁のできた中国出身の先生に「七宝粥」について教えてもらいました。
中国の人は小さい時から旧暦で生活しているので、身体が季節と共にあるといいます。羨ましいお話ですが、その先生でさえもご自身の83歳のお母様の生活感覚は旧暦通りとおっしゃるから、中国人と自然との結びつきは奥が深いものと知りました。
さて、「七宝粥」とは昨日(2/18)食べるお粥です。雑穀や棗、クコなどを取り混ぜて炊いてあります。なぜ昨日なのかというと、昨日は旧暦のお正月(2/12)から数えて7日目です。日本に残るお正月の風習にも「七草粥」があります。それと同じことよ!と教えられて納得。
因みに、15日目には「元宵団子」というあん入り白玉団子を食べるそうです。この理由は夜空を見上げたらわかります。そうです。この日は新年初めての満月だから、その形を象っているのです。
日本では1月15日の小正月には「小豆粥」を食べて、松の内を終いますが、新歴はこの日に十五夜満月が必ず見られるというわけではありません。旧暦の月の朔望を意識しながら生きることは自分の中に自然を取り込むための初めの一歩かもしれません。
お正月を祝う似たような風習が両国を繋いでいます。長い年月、淘汰されずに残るということは、誰もが認めている証拠です。つまり、どの行事もみんなの幸せと健康を祈るものだから続いてきたのでしょう。この一年が無事に過ごせますようにとお粥を食べながら願ったことでした。