こころあそびの記

日常に小さな感動を

五輪に向けて

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 「できないのではなく、どうしたらできるかを考えほしい」
 体操の内村航平さんが去年話されたこの言葉の持つ意味の重さをずっと胸に隠してきました。
 もちろん、オリンピック開催の意見を求められての発言でしょうが、彼の生きる姿勢は常にこうなのだろう感じました。昨日できなかったところを今日どう工夫して乗り越えるかを考え続ける人は素敵です。
 彼のこの言葉を応援したい。でも「できないやん」「できるわけないよ」という声が大勢を占め、90%が開催を諦めているという中にあっては声を挙げられなかったのです。
 ところが、森会長の騒ぎがあって組織委員会の仕事ぶりが明らかになりました。
 途端に「ひょっとしたらできるのでは」という流れが生まれ始めていると聞いた私は、ようやく内村君の発言を大声で叫びたくなりました。
 大きなことを進めるには世論の盛り上がりが必要らしいです。私が思うことが隣の人に、また隣の人に伝わって大きくなれば、開催の後押しができます。
 この一部始終を、今回は川瀬直美監督が記録映画に収めて下さっています。
 物事はそこに至る経緯が大切です。たとえば、春爛漫は越冬の厳しさを越えてこそ迎えることができるように。困難といわれる中で舞台を準備することの大変さはやってみたことのない者にはわかりません。彼女がその努力を伝えてくださると信じています。
 サイドブレーキを引きながら過ごしているのはオリンピアばかりではありません。今、コロナ禍にいるすべての人はやりたいことができない日々が続き、一億総うつ状態です。
 「こどもに出たらあかんといわれて出んかったら体の調子がおかしくなってきた」
 こんな老人の嘆きを店頭で何度聞いたことでしょう。
 語り継がれるに違いないオリンピックが日本で開催できたら、みんなの心が一斉に明るい方を向けることでしょう。
 「みんながうれしいのが一番」という和久井映見さんのセリフが今年の流行語になりますようにと、決定のお知らせを首を長くして待っています。