こころあそびの記

日常に小さな感動を

うれしい朝

 f:id:snowrumirumi:20210303163944j:plain


 「灯りをつけましょ 雪洞に
  お花をあげましょう 桃の花
  五人囃子の笛太鼓
  今日は楽しい ひなまつり」
 今日は雛祭り。
 中国では奇数が陽、偶数が陰と数えられます。3月3日は3が重なるので、陰陽のバランスから見ると偏りのある日と考えたのでしょう。その日は健康と厄除けを神様に願うことにして、人形に穢れを移して流すことから始まった雛祭りです。
 でも、サトウハチローさんの詩がそんなことを忘れさせてくれます。それぞれの家庭で「楽しいひなまつり」が祝えることが何よりの幸せです。
 今朝は、六甲山の一番高いところが白く輝いていました。この冬は周辺の山々に雪が積もる日がなかったので、最後の最後にちょっとうれしい天からの贈り物でした。
 加えて、通勤途中には眼前に天使の梯子が幾筋も下りて美しく輝いて見えました。洋画ではこれを表現した宗教画がありますが、日本画ではこの光を描けないとも描かないとも聞いたことがあります。
 いずれにしても、自然の創り出す天然の絵画はキャンバスに収めきれない壮大さをもって私たちに語りかけます。あなたのいのちを祝福します、と。
 この光降る光景ほど天の存在を意識する瞬間はないのではないでしょうか。「天使の梯子」と名付けた人はだれですか?人間の想像力ってすごい!と、この景色と出会う度に感心します。そして、その宗教画の中に入り込んで階段を上り下りする天使になりきっている自分に恍惚とするのです。
 これも誰かが、「あれは天使の梯子って言うんだよ」と教えてくれたからこその楽しみです。その人に感謝です。学校で習うことだけじゃなくて、巷で誰かに教えてもらったことが人生に彩りをもたらしてくれます。
 自分の好奇心や感動力は独りでに成り立ったものではありません。
 今朝のNHKで「オルタネート」の著者である加藤シゲアキさんがインタビューを受けておられました。
 「芸能活動は続けられるんですか?」という質問に
 「時代の流れを感じられるから続けます」と応えておられました。
 彼も、やはり自分の出会うものたちから吸収している一人なのですね。