こころあそびの記

日常に小さな感動を

葛根湯

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 「いつも葛根湯をお湯で飲んでくださいねと説明されますが、(葛根)湯と”湯“が付くからですか?」と質問されました。
 ”~湯“と「湯」が付いているものは生薬を煎じたもの。“~散”の「散」は生薬を粉末にしたもの、“~丸“と「丸」が付いているものは生薬を粉末にして蜂蜜などを加えて丸薬にしたもの。他にも剤型はいろいろあります。
 今、皆さんが薬局でもらわれる漢方薬の殆どが煎じてエキスにして、2.5gまたは3g/包に製剤したものです。これはツムラさんが医療用に考案されたようです。お医者さんから生薬もらって家に帰って煎じる暇が、現代人にはないので便利この上なくありがたい剤型です。
 でも、昔あったたくさんの剤型には意味があったはずです。そこで、その効能に近づけるべくして、湯に溶かすなどの飲み方が推奨されたりするのです。
 ちなみに、「葛根湯」はうなじから肩にかけての強張りを解消してくれる漢方薬です。どのようにして?それは、温めて滞りをなくし、血流をよくする事によって肩こりや、初期の風邪のなんだか重い感じをふきとばすのです。
 西洋薬は病気をやっつけたり、押さえ込んだりすることで治療します。
 反対に漢方薬は病気と戦いはいたしません。その時の身体の状態を応援します。熱を出したいなら出す方向で免疫を助けます。汗と共に邪を追い出すのです。
 長くなりましたが、「葛根湯」を飲む必要のある時は、体を温めたい時です。だから、温かいものと一緒に飲むのがよらしいというわけです。傷寒論には「お粥」と共に服薬すると書いてあります。
 手元にいつも置いておきたい薬の筆頭は「葛根湯」です。葛根湯医といえば藪医者みたいにいわれますが、本当に役立つ薬です。また、葛根湯の親は「桂枝湯」ですから、葛根湯で血圧が高くなったり、不眠になるならこちらもおすすめです。「桂枝湯」の成分は台所にあるシナモン、生姜、なつめ、芍薬、甘草です。安心してお飲みいただけます。
 なかには、朝一包の「葛根湯」で目覚めよく一日がスムーズにスタートできるという人もいらっしゃいます。
おすすめはできませんが、漢方薬はフィーリングがあうものを、タイミングを狙って飲むことが効果的です。
 効かない!じゃなくて、効かす飲み方を見つけたら心強いサポーターになってくれますよ。