こころあそびの記

日常に小さな感動を

桜餅の香り

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 例年になく早い開花となった桜。昨日は東京と福岡で満開になったと報じられました。
 どうして東京と福岡なの?と思われませんか。これには桜さんに深~い事情があるそうです。
 冬期(11、12、1月)の温度が低いほど目覚めがよろしいそうです。東京は大阪よりも寒いし、福岡は鹿児島より寒い日が多かったから早く咲くと聞くと納得です。
 これは冬眠の質とも言い換えることができます。冬は一日に置き換えると夜の時間です。
 私達が夜にぐっすり睡眠することが如何に大切であるかを、桜が教えてくれています。夜間の過ごし方がお昼間に、お昼間の過ごし方が夜間に順繰りに影響します。
 自然の循環は途切れることがないと知ることが健康生活の始めの一歩です。。
 花、花、花。花見は控えても、お茶とお団子は我慢できません。桜餅が店頭に並んでいたら、その香りに吸い寄せられて買ってしまいます。
 あの香り。
 実は、葉っぱが生きている間は香らず、傷ついたり落ち葉になったり塩漬けにしたときに芳香し出すそうです。
 桜の葉の中に物質Aと物質Bが存在していて、普段は香らないのに、傷ついた途端、AとBが合体して虫が嫌いなクマリンという特有の匂いを作ります。あの香りは虫除けの匂いだったのです。生物に備わるスーパー防衛力です。
 香りの正体であるクマリンの誘導体はワーファリンという抗凝固薬として最近まで繁用されていました。
 しかし、血中濃度の管理や納豆を食べてはいけないなど制約が多いため、今では新しい薬に置き換わりつつあります。
 冬眠の大切さ(睡眠の大切さ)を教えてくれたり、身近な薬への応用で役立ってくれたり、春らしい香りで喜ばせてくれたり。そして、いよいよ春のクライマックスを演出してくれる大役者の出番です。
 満開の日が近づいてきました。一本の桜の木に10万個の花が咲くそうです。一輪は決して自己主張していないのに満開になればすべての人を夢心地にさせてくれる不思議な木です。あなただけの夢の世界に浸りましょう。