こころあそびの記

日常に小さな感動を

本屋

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 インターネットで必要な本が簡単に手に入るようになりました。本屋で探し回ったり、図書館で検索する手間がなくなったことはありがたいご時世です。
 それでも、本屋が好きです。ふらっと入った本屋で思いも寄らない本と出会う楽しみがあるからです。
 小さな町の本屋さんは苦戦していると聞きますが、在宅時間が増えたことで少しは来店者も回復しているのでしようか。町のニーズを読み取って選んだ平積みの本は店主のセンスを感じさせます。
 こないだも、孫に漫画を買ってやろうと入ったら、入り口の平積みの中から私を見ている二人と目が合ってしまって、即買いしてしまいました。
 『なんで家族を続けるの?』(内田也哉子中野信子著)
 美しいお二人のお写真が表紙です。
 心理学系の本はもういいかと思っていたのですが、
 副題の「私たちは“普通じゃない家族”の子だった。」に惹かれてしまったのです。
 読み進めているうちに、確かにそうだったかも知れないけれど、彼女達の家族だけが”普通じゃなかった“のではなく、私達はみんな特殊な家族の形態の中で育ったんだよな、と放言している自分がいました。
 ひとりになりたい自分とどう向き合えばよいか。それは、好きなことをする。旅をする。
 どちらも私を慰めてくれる大切なファクターです。
 普通でない家族から、一旦逃れることしか自分を守る方法はないと思います。非日常の練習をしているから特殊な家庭で育つ子供は強くなれるはず。そう思いたいところです。
 やがて、人口子宮が赤ん坊を育て、ロボットが保育をする時代がやってくるそうです。2040年には日本人の半分が結婚をしなくなるという予想もあります。
 中野信子さんの、「“この人とつながっていたいというひとすじの絆”のために結婚という形式をとっている」という言葉に少し安心して、本を閉じました。