こころあそびの記

日常に小さな感動を

八雲

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 「八雲立つ 出雲八重垣妻籠みに 八重垣作る 
  その八重垣を」
 
 素戔嗚尊(すさのうのみこと)が奇稲田姫(くしなだひめ)を娶り新宮を建てる際の祝婚の歌とされています。誰もがこのリズムに心地よさを感じるのではないでしょうか。
 私もその一人。八雲という美しい言葉に惹かれます。
 今日は守口市八雲を歩いてみました。八雲神社を目指してスタート。
 途中、自宅の前で水撒きをされていた女性に「八雲神社はどっちですか?」と尋ねましたら、民家の間の細い道を教えてくださいました。
 心細い気持ちで歩いていましたら、左右に分岐してしまいました。どっちに進むべきかと思った瞬間、「右ですよ!」と、どこからか声が聞こえます。さっきの方がわざわざ、そっと後ろから見守って下さっていたのです。
 この親切なお心遣いのおかげで無事に八雲神社にたどり着くことができました。一瞬の袖擦るお出会いに感謝。
 先の台風で、鳥居は倒れ本殿も瓦が落ちるという甚大な被害を受けたこの神社の仮の本殿は小さなテントの中でした。因みにこの神社の神様は素戔嗚尊です。八雲という場所にまつられる縁を喜んでおいででしょうか。
 お参りをして外に出てみると、淀川の堤防がほん近くに見えました。
 東北大震災でも再認識されたように、神社がある場所は、意味ある所です。きっと、淀川の水から護るべくして鎮座して下さっているのですね。
 この町の人々の心意気で再建が完成する日には必ずもう一度お訪ねしたいと思いました。
 帰りに、八雲遺跡の立て札を見つけました。
 縄文時代の生活の跡があること。その時代は川を使った形跡はないのに、弥生時代に入ったら淀川を使って他の地域との交流が始まった跡がみられる。などと書いてありました。
 あの町もこの町も、この川沿いにある繁栄は淀川のおかげであることがわかりました。
 そんな事を考えながら堤防に上がってみましたら、陽光で川面をキラキラ輝かせながら淀川が滔々と流れています。
 私達もいつかは古代人です。長い長い流れの中の一点であることに感慨を深くしたお昼休みでした。