こころあそびの記

日常に小さな感動を

お濠と畦と

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 今日も雲見坂の雲があまりに美しくて、雲を追っかけて、「今城塚古墳公園」まで歩いてみました。
 今上天皇の100代前の継体天皇の陵墓といわれています。埴輪が出土していることでも有名になりました。お濠傍で次のような掲示板を見つけました。


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 この、古墳の解説の「内濠を囲む堤の盛り土は縁から内側へ敷きならすようにほどこされている」という箇所にピンときました。
 これは、田んぼの畦の作り方だと思いました。先日、見かけたのです。一週間もご無沙汰したら、もう、できあがっていました。お百姓さんはなんと忍耐力がおありのでしょう。
 
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 稲作の土木技術が古墳造りに活かされていると唱えた富山和子さん。
 「まず、粘土をしっかりつきかため、砂や小石を混ぜた土の層も重ねて堤を築く」。その工法は、畦だけでなく、潅漑のため池にも古墳のお濠にも応用されたといいます。
 「森は生きている」、「お米は生きている」、「道は生きている」の3部作を読むと、早い段階からSDGsを提言されていることが、子どもにも分かるように書かれています。
 祖先から、否、地球が生まれたときから、この星に生きた全てのいのちによって今があるという大切な歴史。
 今頃になって、SDGsという万国共通の目標として叫ばれるようになりましたが、こういう分かりやすい解説が必要な時を迎えています。
 
 海から発生した小さないのちが、数億年かけて作り上げた地球という大地。
 大切に子孫に繋いでいくために必要なものは何でしょうか。大切なものは、受け継いだいのちです。それ以上でも以下でもありません。

 ”和菓子の日“だった昨日。848年の疫病退散祈願が出発点という「笑わず餅」を見かけて、コロナが特に大変なのではないことを知りました。先人たちは幾多の疫病に晒されながら、いのちを繋いできたのですね。その昔の恐怖と比べれば、たくさんの情報のある現代は幸せです。
 ところがその情報が曲者です。メディアに流されないように自分を守ることの方が難しい時代になってしまいました。
 自分のいのちは自分で守る。これが大原則です。