昨日と同じように朝から青空が広がりました。
秋に見られるような”青“い空です。雲一つなく青色一色で塗りつぶせるようにきれいな青い空でした。
気象予報士さんのお話によると、上空にシベリア高気圧が少し残ったところに、太平洋高気圧が乗っかったので、爽やかさもある朝になったそうです。
空の上でどんなことが起こっているのかが分かるのも科学の時代ならではです。
見上げていると、この深い空色に吸い込まれていく気持ちがします。
過日、再放送されたドラマ「愛していると言ってくれ」の中で、二人を結びつけた色は、“セルリアンブルー”でした。
刻々と変わる空の一瞬を捉えた美しい色をストーリー展開の重要なツールにしたところがさすがでした。
あんなシンプルな純愛ドラマは姿を消しました。需要がないのでしょうね。おばあさんはさみしく思います。
いつも、空の青さを見る度に思うことは、なぜ、古代人は空が黒色と知っていたのかということです。
賢いなぁと感心するばかりです。
私なら、空は何色?と訊かれたら、「青色」と応えます。
なのに、太陽が空にある時の青色ではなく、太陽が沈んだ後の闇の色を誠の宇宙の色としたことに驚きを持つのです。漆黒の闇の向こうまで、見透かしていたことにびっくりします。
昼間以上に夜の星を観察していたことが推測できます。
”天は玄色(黒色)“と冒頭に出てくる『千字文』は応神天皇の時代に王仁によって百済から伝えられました。
「天地玄黄」に続いて、「宇宙洪荒」とあります。
『淮南子』に「往古来今謂之宙、四方上下謂之宇」と記されていますから、「宇」は四方上下の空間のこと、「宙」は過去、現在、未来の時間のことです。
時間空間は果てしなく大きく広いといっています。
『千字文』はお習字のお手本ですが、一つ一つの意味を勉強するだけで、結構、漢文知識や当時の風俗も知ることができる優れものです。
この『千字文』の成り立ちは、梁の武帝が殷鉄石に命じて王羲之の文字から千字を集字させ、それを周興嗣(しゅうこうし)が、一晩で四字ずつの韻文に書き上げたといいます。一字の重複もなくです。果たして、彼の髪は真っ白になってしまったそうです。
易経、淮南子、説文解字ほか当時すでにあった文言から取ったり、話の辻褄を合わしたりして、一晩で完成させた人が実在したことに、古代人の天才的能力に驚くばかりです。
彼らの想像力を後追いしたくて、奥深い中哲学に興味が尽きません。あっ、ごめんなさい。入り口だけで“うっとり”と魅了されて、なかなか中に入れないことは正直にお伝えいたしておきます。