一片の雲もない大空を金色に染めながら朝陽が上ってきました。5時半のお天気カメラには、今、大阪の日の出がジャストタイムで映っています。東京カメラでは、太陽は上りきっているし、広島カメラは少し暗いのです。
あぁ、いい季節だなぁとお弁当作りの手を休めて、見入ってしまいました。
その余韻に浸りながら、愛犬と朝の散歩に出かけました。
六甲山が夏色を帯びて、その山容を見渡せる日は安心します。山にはそんな力があります。
なぜでしょう。天から降りてくる神々さまが至る所におられるという気配を感じるせいでしょうか。
山登りを趣味にしている友人がいます。彼女を惹きつける山の魅力は多分、どこまでもその清冽さにあるのではないかと勝手に想像しています。下界にない美しさにはまった人は、山に浄化された自分を愛おしく感じるために、また山頂を目指してしまうのではないでしょうか。
オリンピック。連日の熱戦が繰り広げられています。競技もさることながら、選手や関係者の言葉にも感動感激をもらっています。
昨夜は、侍ジャパン対韓国戦がありました。
藤川球児さんに、鋭い直球を投げつけられました。
「経験したことを、完全に断ち切っていくことは勇気のいることなんです」
経験を忘れろといわれても無理でしょうという意味です。ベテランの方が強いとは思い込みで、経験者は知ってしまっていることが弱みになるというのです。
伊藤大海投手の投球や言葉にそれが真実であることが表れていました。何が起こっても動じない強さは、”まっさら“だから発揮されることがよくわかりました。
藤川球児さんが隣にいた北島康介さんに「オリンピック出場の一回目と二回目ではどっちが怖かった?」と訊ねたら、「二回目」と答えられたとか。緊張感は二回目のほうが高まるというのです。
では、ベテランがチームにいる強みとはなにですか。
何でもきいて!何でも応えるよと声をかける役割で十分だそうです。田中マー君がいるという安心感がチームワークを盤石にするのですね。
若い力とは、何も経験してないことが強みです。そして、彼らを見守ることがベテランの仕事です。
一人一人の経験は一つとして全く同じであることはなくて、状況はすべてオリジナルです。自分で切り開くしかありません。
人生は、そういう意味で孤独な戦いです。だからこそ、成長があるともいえます。
経験してきた日々に頼るのではなく、勇気を持って過去を捨て去り、今日、目の前に現れる体験に“まっさら”な気持ちで挑むことを、藤川球児さんの言葉に教えてもらいました。