こんなこと言ったら叱られそうですか、台風が近づいていることを知らせる雲の、刻一刻と変化する姿のなんと美しいこと。国道沿いのお店の前の幟も勢いよくはためいています。
海開きを敢行している海では、今頃、大人も子供も大はしゃぎで、絶好の波のりを楽しんでいることでしょう。「来るよ来るよ!」「いちにのさん!」知らない人も一緒になって大波と遊びます。
波乗りといっても浮き輪に掴まって浮いているだけです。それなのに、アミューズメントパークよりもスリリングで、年寄りも楽しめる自然のアトラクションなのです。
そして、波打ち際で波と格闘しなければ、浜に上げてはもらえません。ヨイショと上がろうとすると、まだまだと引き波で海の中へ引き戻されます。何回か繰り返したのちにお許しをいただける頃には、水着の中もゴーグルも砂だらけです。
遊び疲れたら、砂浜のテントの中でうつらうつら。波の音が段々遠のいていきます。ひょっいと気づいたら、水平線に入道雲が湧いています。
こんな時、口をついて出てくる歌は決まって、
「海は広いな大きいな 月が上るし日は沈む♪ 海は大波青い波 揺れてどこまで続くやら♪ 海にお舟を浮かばせて 行ってみたいなよその国 ♪♪」です。
海を前にすれば、この歌詞の凄さが分かります。
この毎年恒例の夏休みのお楽しみが叶わないことは誠に残念です。来年こそ、みんなで行きたい海水浴です。
オリンピックも明日が最終日。
前回の東京オリンピックは10月ですから「世界の青空を集めた青天」もあり得たと思われます。ですが、今回は、スポーツをするにはあまりに過酷な夏の土用に開催です。聞いたときには無理でしょう、有り得ない。大丈夫?とどんなに心配したことでしょう。
でも、日本の八百万の神様は健在でした。なんとか期間中は太平洋高気圧を遠ざけてくださった。台風も足踏みさせてくださった。青空を満喫させてくださった。
完璧でした。
コロナという心配事に、荒天が重なれば、オリンピックは無惨な思い出になってしまったことでしょう。
しかし、そうはならなかった。
「オ・モ・テ・ナ・シ」で東京開催をゲットできた当時には思いもよらない、史上初の最も困難な状況に追い込まれながらも、兎に角、最後までミッションは完遂できました。
こんな難しい運営を、ミスなくしかも心を込めて「おもてなし」くださったすべての関係者とボランティアの皆様に心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。
思えば、バッハ会長に「犠牲」という言葉を使われて日本中が騒がしくなったこともありました。
しかし、世界の中で「犠牲」を払える国は日本以外にあるでしょうか。
“犠牲”は牛偏です。牛は古代、神様への生贄にされました。そして牛の肩甲骨をあぶって神様にお伺いをたてました。甲骨文字はその結果を記した文字です。
お伺いの結果は青空、吉と出ました。日本は見事に犠牲という使命を果たしました。
2020年東京オリンピックが日本と決まったときから、この使命が乗っかっていたと思いませんか。
世界は大きな禊ぎを果たすことができたのです。アフターコロナを若い人まで心配していることに驚きます。大丈夫。これからは、天の神様の言うとおりになっていきますよ。心配よりも、むしろ楽しみです。
迷いながら、叩かれながら、それでも全うしたことを誇らしく思っても許されるのではないでしょうか。
やったー!青空のもとで写真に収まる皆様の笑顔というお土産は、いつまでも語り継がれる宝物になることでしょう。。
どうか、あと一日、天の神様のご加護がありますように。