こころあそびの記

日常に小さな感動を

平常心で生きる

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 外は大風。家の中でうつらうつらと過ごしています。
 流行りの河野大臣のTwitterを覗いたら、西洋医学の先生が「免疫力」という言葉はおかしいと記しておられました。そんな重箱の隅をつつくようなこと言わなくてもいいのに、と思いつつ、西洋医学東洋医学の考え方の違いをまたまた感じてしまいました。
 西洋医学は分析することが得意ですから、免疫とは「はたらく細胞」で示されるものです。だから、総合力ではなくて、一つ一つの細胞の働きを研究します。
 片や、東洋医学では全体の調和に重きを置きます。
 重視されるのは「気」です。生体を動かすエネルギーともいえますが、見えない分、西洋医学ではデータを取りづらいカテゴリーでありましょう。
 目に見えない「気」が不足すればどういう症状がみられるのでしょう。
 疲れやすい、無気力、顔色が蒼白い、話す言葉に力がない、下痢しやすい、食欲が乏しい、などなど。
 これらから想像がつきますね。共通するのは、お腹に力がない症状です。
 「気」はお腹の力、しっかり消化して「気」のもとになる精微な物質を作り出すことから始まります。ついで、その精微な物質と、肺から取り入れた「天の気」と、腎にある「親からもらった精」から作り出された「気」が全身に送られるのです。
 これを知ることは、並みの宗教よりも深い教えを感じませんか。
 私達の身体は「大地からの恵み(食料)」、「天の気」、「親から受け継ぐもの」があるから元気に過ごせるのだと理解することは、生きることの根っこを知ることだと思っています。

 「気」が不足すると、キュッと引き締めることができなくなります。
 一見エネルギッシュに見える汗かきの人が実はパワーが不足しているとみたり、胃下垂や脱肛や内出血、不眠の原因にもなります。身近な症状が「気」の不足から起こっているとは意外なことです。
 また、慢性的な微熱症状も「気」の不足が原因のことがあります。「気」が少ない、ならば臓腑の機能を維持するために新陳代謝が代償的に旺盛にならざるをえなくなります。そのため発熱します。老人によく見られる症状です。
 
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 それでは「免疫力」とは何でしょう。
 体全体の調和が整っていることと捉えます。敵を敵とも思わぬ平常心でしょうか。
 なにをもってそれを知るのかと言われれば、なにも難しいことはなく今日を生きているという事実がそれを証明していると考えます。
 何種類の食材を食べないとだめとか、三食バランスよくとか、タンパク質や牛乳をとか、テレビの健康情報を見てたらきりがありません。
 あれは、あくまで外からの情報です。
 朝の日の出を仰ぎ、夕方の日の入りを見送る感謝の一日であれば、それで十分というと、あなたも怪訝なお顔をされるのでしょうか。
 体との付き合い方に、その人の生き方が見えると思っています。