こころあそびの記

日常に小さな感動を

白露の空

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 今日から「白露」です。
 二十四ある節気の名前のうちで、春の「清明」の次に好きかもしれません。
 朝、庭を歩くと足元が濡れるようになりました。それは、日の出が遅くなったことも一因かもしれません。お日様が出てきたら、草花に宿った小さな水玉も消えていく。「白露」は秋になった証拠です。

 空がどんどん高く美しくなってきました。昼の空ばかりではありません。夜の空が賑やかです。
 なん光年も旅をしてきたとは思えない澄み切った光が、この濁った年寄りの目にも届いてくれます。
 「わしは仏教徒だから天国は信じない」という人がいました。そんな地上の小さな決まり事から解放されて空を見上げてみましょうよ。
 特に夜明け前の空は格別です。静寂の中に自分が溶けていく感じがします。はるか遠くの生まれたところに旅する感覚です。
 
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 そんなことを勉強する宇宙科学者に憧れます。
 科学を突き詰めれば必ず天に通じるところに出ると信じています。一つの研究に専念したら、真実に到達するはず。そこに達した人のお話にとりわけ惹かれるのです。
 そのお一人、理学博士の佐治晴夫さんが『致知』10月号に私がワクワクするお話を書いておられます。
 「絶対静止の状態では宇宙は動かない」という不確定原理というのがあるそうです。
 老子のいう「無から一が生じる」や、福岡伸一先生の「動的平衡」にも通じるお話です。
 ゆらぎがあるから何かができあがる。
 横の人とぶつかりあって互いに影響しあうことが新しい何かを作ります。一人で生きているのではない。助け合い、依存しながら世界は動いているという原理に感銘を受けました。
 
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 空は見上げた人に生きる力を恵んでくれます。
 宇宙の果てから届けられる今のあなたへのメッセージを、秋の空から受け取ってみませんか。