こころあそびの記

日常に小さな感動を

「こころ旅」ファン

f:id:snowrumirumi:20210921130153j:plain


 こんな時だから、お便りでほっこりするほど豊かなひとときはありません。
 先日友人から届いたお便りは、「近郊のハイキングもマンネリ」。ふむふむ。「(習っている)オカリナは難しい曲になってややストレス」。なるほど。一言ひとことに頷きながら読ませてもらいました。
 彼女が、工夫しながらこのコロナ禍の日々を元気に過ごしていることを、嬉しく拝見したことでした。
 コロナ騒動が始まってもうすぐ二年になりますから、人々のストレスも我慢の限界かと思われます。それでも、この国の人達はいい人ばかり。お互いさまと思いを共有しながら生きられるところが素晴らしいと感じます。
 
 彼女が「BS こころ旅も好きです」の添え書きしてくださったことから、久しく見忘れていた番組を思い出させてもらいました。火野正平さんが全国を自転車で旅する番組です。
 実は、火野正平さんは高校の一時期を桜塚高校で過ごされたとか。そんなこともあって、この番組をより身近に感じています。桜塚高校は共学になる前は女学校でした。正平さんが、女の子に囲まれ慣れているのはそのせいかなと勝手に推測したりしています。
 道端で急に話しかけられて、呆気にとられながら対応される地元の方の人の好さを映しとるところがこの番組の真骨頂です。
 かつては、イケイケだった火野正平さんも、近頃は、上り坂を自転車で登る姿にハラハラさせられることが多くなってきました。大丈夫かな?ディレクターも考えあげてよと画面に向かって突っ込みながら応援しています。
 その彼の言語録で今でも覚えているのは「僕は何もしないのに女性の方からついて来る」と言い放たれた言葉です。
 こういう彼の人となりが今も変わってないから、訪ねる先々で出会う人との無作為な交流が、視聴者を喜ばすのでしょう。

f:id:snowrumirumi:20210921140314j:plain


 何も働きかけないのに、人が寄ってくるという徳を持つ人の話が『荘子』に出てきます。
 
 ー「哀駘它(あいたいだ)」は醜男でした。しかし、男で彼と一緒にいると、彼を気に入って立ち去ることができず、女で彼を見かけた者は父母に「人の妻になるよりは先生の妾になりたい」といわしめる人でした。ー

 人は生まれるときに持たされたものが、その人のすべてだと言ってしまえば、お目玉を食らうでしょうか。
 人は必ず持って生まれている。哀駘它(あいたいだ)のように、その何かが分かりやすい人もいれば、磨かなければ輝かない人もいることでしょう。
 人それぞれ。与えられた何かを探す旅が人生だと考えた方が、生きがいがあるように思っています。