キッチンに、家人が菜園から採ってきたピーマンが転がっていました。
なんと瑞々しい赤い色でしょう。
過日、田中修先生のお声がラジオから流れてきて、またまた楽しく聞かせてもらいました。
視聴者の子供からの質問に、「赤いピーマンは食べられるのですか?」というものがありまして、先生のお答えは私も初めて知ることばかりでした。
ピーマンは子供たちに嫌われることの多い野菜です。それもそのはずで、緑色の間はまだ食べないでねというサインだそうです。まだ、種も熟してないから食べられたくない。だから、あの青臭い苦い味にして実を守っているとはなんと賢い種の保存の知恵でしょう。
そして、赤くなったピーマンは完熟した証拠ですから、栄養も豊富で味も甘くして、誰かに食べてもらう準備が完了したことを示しています。さぁ、どうぞどこへでも連れて行ってと。
植物は動けないのではなく、動かない選択をしたといわれます。動かずに、動くものを利用する術を考え抜いて命を繋いでいます。
同じように、苦味で身を守ったつもりなのに夏野菜としてもてはやされている野菜にゴーヤがあります。赤く熟したら美味しくなるから、もうちょっと待ってよ!と叫んでいるかもしれません。
熟したら大方の植物は赤色に変色します。暖色系は食欲をそそる色であり、食べてもらうために考案した色です。反対に寒色系の青色のテーブルマットはは食欲を減退させるといいます。
赤い色は太陽や燃える火、そして、身体に流れる血を連想します。中国の仙人が延命長寿をねがって服薬した丹薬も水銀の赤い色でした。
赤い色は興奮の色。血湧き肉踊る、元気が出る色です。
赤い色はパワーを発散させます。青い色は鎮静の色。では、その中間の緑色はどのような効果があるのでしょう。プラスでもマイナスでもない癒やしや安らぎの色です。
樹木の癒やしは姿だけでも大きさだけでもないことが分かります。国土の八割が山林で、緑色に囲まれて過ごしている日本民族が穏やかであるといわれることと、どこかで繋がっているのかもしれません。
ところで、なぜ葉っぱは緑色なのでしょう。これも、田中修先生が答えておられました。
光合成を行う葉緑素は可視光線のうち、赤色と青色を吸収してエネルギーに変えているといいます。
結果、余った緑色を反射しているから、私達の目には緑色の葉っぱと映るそうです。
私達は今のところ二酸化炭素の削減に行き詰まっています。植物の光合成による炭酸ガスの取り込みを真似ることもできず、頭を抱えています。
植物の葉っぱや人間の体内で起こっていることは、謎だらけです。科学万能とは言い切れない。小宇宙と呼ばれるだけのことはある世界です。