あまりにも気持ちのよい秋晴れだったので、一人じゃもったいないと思って、お友達を誘い出してしまいました。
コロナ禍にと眉を顰められるかもしれませんが、二人で歩けば、二つの目で新発見ができたりして楽しい遠足になりました。
「萩の花 尾花 葛花 なでしこの花
女郎花 また 藤袴 朝顔の花」(山上憶良)
散歩道には秋が満載でした。
知らなかった花や実もGoogle辞典で即座に検索できることは、時代の恩恵です。
歩き始めてすぐに見つけた白い花はナワシログミ。秋に白い花が咲いて、春の苗代を作る頃には実が赤く熟すところからの命名といわれると、お互いに寒い冬を頑張って越そうねと誓い合いたくなりました。
アラカシのかわいいどんぐりはまだ青くて枝にしっかりくっついています。春に、垂れ下がっていた花はこの子のお母さんだったんですね。半年間、お疲れ様でした。
本日、同行してくださった彼女はお花をこよなく愛するお花博士です。
今日は、二つ教えてもらいました。
一つは、蓼です。
水の流れの際に群生しているとは驚きです。
「蓼虫不知辛」辛い蓼の中で生きている虫は、それに慣れて蓼が辛いことを知らない。というところから「蓼食う虫も好き好き」という諺になったようです。
元の中国語の意味は、よく考えると深いものがあります。
また、この葉は藍の染料です。
初めに浸したときは黒かったり、茶色かったりするのに、回数を重ねる度にだんだん澄んだ青色が出現するマジックは、「青は藍より出て藍より青し」という言葉になりました。
古くから、身の回りに存在したことを、実感できたことは収穫でした。そして、こんなことからだって、時空を越える空想の旅は可能であると感じた次第です。
もう一つ、栴檀のまだ青い実が鈴なりになっているところを教えてもらいました。
これも、春にイヤというほど写真に収めた花です。秋になって、あのふわっとした花がこんなかわいらしい実になるのですね。
「栴檀は双葉より芳し」
どなたかも書いておられましたが、そうとも限らないと思います。みんながそれぞれに探した道で実を成らす社会であればよいと望みます。
あーぁ、楽しかった。一人もいいけど二人もね。という朝の散歩でした。