こころあそびの記

日常に小さな感動を

平凡な日常の中にある奇跡

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 その人を全くと言っていいほど、存じ上げないのに取り上げるのは失礼かと思いましたが、その熱い思いに同感したことを報告させて下さい。
 その人は「満島真之介さん」です。
 さっきテレビをつけたら、NHKスタジオパークに出演されていました。
 お話しされていたのは、土曜日の早朝に放送されている「あの人に会いたい」についての熱い熱い思いでした。
 いつの頃か、自分が煮詰まってどうしようもなかったとき、この番組で詩人、長田弘さんの言葉を聞いたと言います。そのとき、満島真之介さんはトンネルを抜けて甦られたそうです。
 その魔法の言葉は「平凡な日常の中に奇跡がある」でした。
 ご飯を食べるとき、美味しいなぁ、ありがとう。仕事ができる、ありがたいなぁ、ありがとう。日常の一コマ一コマに感謝できていただろうか。
 震災やコロナで人々は傷ついたけれど、それでも生きている。それだけで感謝に値するんだという気づきを教えられました。と。
 それからというもの「あの人に会いたい」の大ファンになり、ずっと録画して、その上DVDも購入されたそうです。
 私もたまに時間が合うと見ます。たった10分の番組ですが、今は鬼籍に入られた一流人の方々の面影と言葉に元気をもらえる貴重な番組です。
 満島真之介さんはクリクリしたおめ目で元気印の代表のように見えますが、あの元気、実は裏打ちがなされていることが分かりました。それも、私が大好きな奇跡繋がりです。
 人って、偉いとか美しいとかではなくて、こんなことでつながるところが嬉しいですね。

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 さて、長田弘さんの詩に「子供の君は道をまっすぐ歩くことなどなかった」というものがあります。
 その楽しみを失くしたとき大人になる、と。
 同じ道を歩くときは、ドキドキがありません。
 ちょっとコースを変えるだけで、一挙に冒険心は高まります。
 それは、子供でも、大人でも同じです。
 特急で目的地に急ぐ日もありましょう。しかし、鈍行でノンビリと路傍のお地蔵さんにお参りしながら歩くのも格別です。
 そのとき、誰もが、子ども心です。
 日常の奇跡を発見できるのはそんな寄り道をしたときです。目に見えるものではなくて、心に染み込んでいる何かを思い出して、自分を温めることができるからかもしれません。
 最後に、長田弘さんの詩集『深呼吸の必要』の題名にあるように、深く息をいたしましょう。この題名を知らしめたかったということは、数々の名言を残された人でも、袋小路に入り込んでしまわれた経験がおありだったかと想像します。
 辛くなったら天を仰いで深呼吸です。きっと、天からの贈り物で体が満たされるはず。そうしたら、体が喜んで、心が軽くなること請け合いです。秋の空ならなおさらです。