こころあそびの記

日常に小さな感動を

満月の日のお楽しみ

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 青い空に千切れ雲。昨晩も風が強かったからですね。
 塵が吹き飛ばされた夜明け前の漆黒の空には、オリオン座を中心にお星様が輝いていました。
 

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 神社庁から各神社に配られる今月の貼り紙は『今日も生涯の一日なり』(福沢諭吉)です。
 今、私の中ではこの言葉がブームです。この歯切れのよい潔さが朝の自分に、「さぁ、今日もがんばろう」という思いを新たにしてくれます。
 いつものように、出勤前に神社に立ち寄り、この言葉で気合いを入れてから、ドングリを探しながら階段を上っていたら、こんな実を拾いました。
 細い枝にくっついた二つの実。
 紫色の斑点があったので、栴檀の実だとわかりましたが、見上げても、見つけられませんでした。
 思いも寄らないところに、生えているものですね。
 春には、フサフサとした紫色の花が遠くからでも見える栴檀の木が、こんな所にもあったのか、それともどなたかの落とし物なのか。
 小さな実から、いろんなことを教えてもらえた一日です。
 
 栴檀(センダン)は、秋の季語でもある黄色の実をいっぱいに実らせます。だから、千の珠の意味でセンダンというそうです。オウチ(楝)は古名です。
 実の中の堅い核は数珠にも使われるということは、古くから生えていた木と思われます。
 大伴家持も庭に栴檀を植えていたといいますし、山上憶良は「妹が見し 楝の花は散りぬべし 我が泣く涙いまだ干なくに」と詠んでいます。
 枕草子では「木のさまにくげなれど、楝の花いとをかし かれがれにさまことに咲きて必ず五月五日にあふもをかし」と栴檀の花を記しています。こちらは夏の季語で、魔除けとして菖蒲と同じように軒に挿したということです。
 長い間、身近にあった栴檀
 虫除けとして、ひび割れの塗り薬として生活に役立つ木として植えられてきたのですね。
 黄色い堅い実が鈴なりになって、ヒヨドリが群がっていたら、栴檀です。散歩にまた楽しみが増えました。

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 ほうら、宵の明星が薄明の空に輝き始めました。その明るさが地球に最も近いことを示しています。

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 満月にもうっとり。寒くなるから暖かくしてお休みなさい。