今日は旧暦で十月一日です。
朝からお天気予報士の方々が、「中国の古文書によると、今日から“小春日和”という言葉を使ってよい1ヶ月間です」とコメントされているのを何回か耳にしました。
典拠の古文書というのが『荊楚歳時記』です。
十月の章に「朔日、新嘗のきびのあつものと秦の歳首・小春」とあります。
十月一日は今年採れた穀物を焚いた雑炊のようなものを食し、また、年の初めであり、天気は和暖で春に似ているから小春という。という意味でしょうか。
旧暦は1、2、3月を春、4、5、6月を夏、7、8、9月を秋、10、11、12月を冬とします。
つまり、10月は冬の始まりです。面白いことに、これは秦の始皇帝と関係があるのやらないのやら。五行で冬は水ですから、水徳を重んじた始皇帝はこの月を年始にしたともいわれています。
中国の古代史はあまりに膨大すぎて、この小さい頭には収まりきらず困ってしまいます。
しかし、どの王朝も民心を治めるために、法律改定や租税の軽減を行ってきました。それは、今も変わりません。人心を掴む方法は他にはないのでしょうか。それとも、未来の人間が変質する事によって何か別の平和の作り方が生まれるのでしょうか。
小春日和に騙されないように、温かい食事と暖かくして過ごすことを心がけましょう。
ところで、先日、万博の日本庭園でカワセミを見たお話をしましたら、早速行ってくださった方から、こんな写真を頂戴しました。
彼女は意を決してカメラマンにお声をかけてみたそうです。
そうしたら、喜んで応じてくださって、こんなに素敵な写真を見せてくださったとのこと。そこに偶然集った人間の心を一つにしてくれる一羽の小禽に出会えて本当によかった。こういうのを、小さな幸せというのですよね。
そういえば、漢方セミナーのメンバーのお一人に、インタビュー名人がおられます。
興味をもった人には敢然と話しかけられます。先日も、話しかけてみたら日本全国のお守り袋を一手に引き受けている会社の社長さんだった、と楽しい取材報告を聞かせてくださいました。
彼の恵比寿顔が、相手の心を掴むのでしょう。
笑顔で話しかける練習も、この世の大切な修行です。書物からは得られないものが一人一人の人間の中に宿っています。それを引っ張り出す人間力を持つ人に憧れます。