こころあそびの記

日常に小さな感動を

期間限定のロマンを感じて

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 “期間限定”と付いていると、つい手を伸ばしたくなるのが人間の性です。
 期間限定お芋のスイーツ。先日も、孫に頼まれて買いに行ったら、すでに全店舗で売り切れと言われてしまいました。
 「今でしょう!」で一世を風靡した林先生ではありませんが、「今しかないもの」を手に入れるのは大変です。
 しかし、この地上の期間限定品はゲットできた人できない人がありますが、天の期間限定の星はありがたいことに、見上げたすべての人に平等に光を注いでくれることは忘れられがちです。
 
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 年と共に、就寝が早くなって、その分、朝の目覚めがよくなってきました。
 すると、今まで知らなかった世界が増えて、これぞ”早起きは三文の得“だとうれしく思っています。
 ご老人の中には、早く目が覚めて困る、と愚痴る方も多くいらっしゃいますが、なんの、外に出てみれば、全天に星が瞬いてあなたを待っていますよ。

 夜明け前の空が、一年中で一番美しいのは今です!
 なぜなら、先月あたりから今月にかけて冬の星座が賑やかに天の一番高いところを飾ってくれているからです。
 初心者には、えっ?今は秋ですよ、といわれてしまうかもしれません。日没後に見えているのは夏から秋の星座。そこから、12時間で天空は半周しています。そのために、早朝の空は、今や、冬から春の星が見られるようになりました。でも、さみしいことに、先月は天頂にあった冬の星座が西に傾き始めています。季節が確実に移り変わっていることを知ることになります。
 一年で一番煌めく空を是非ご覧になってみてください。自然の壮大さを実感できるはずです。


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 さて、天頂を譲られた星の中で存在感を示しているのが北斗七星です。こんなに大きな星座だったのかと驚きます。宇宙の時計として君臨し続けてきた理由が分かります。
 この星々は古代から季節と時刻を表すために、生活に不可欠でした。
 柄杓の指す方角が季節を表しています。日没後に北を指しているときは冬というように。
 また、一日に北極星の周りを一回まわる周極運動から時間を教えてくれます。
 古代人が真っ暗な夜空を見上げて空想したことは神話となり、実用に使える法則をみいだしたことが科学の発端となりました。

 星空初心者の私ですが、北斗七星を調べていたら、福岡教育大学名誉教授・平井正則先生の素晴らしい言葉を見つけました。

 『北斗の水くみ』から一部抜粋させていただきます。

 北の七つ星の柄杓で
 幼子に母が愛をくむように
 天は音もなく海の水をくむ
 潮騒が祝福の歌を奏でる
 46億年を過ぎた今も
 北の空で柄杓は水をくむ

 北側に海を望み、その水平線に柄杓が近づく様子を水を汲むと表現されています。
 日本では、北側に海が開けているという条件にあうところは少ないそうです。その数少ない場所が福岡ということで、場所が限定されます。やはり、地上は何かにつけて制限の多いことです。