NHK「やまカフェ」に、今朝は山シーズンが終わったのか、木を植える活動をされている方が登場されていました。
快晴の空に富士山が見えるとレポートされていたことから、多分、関東地方の方でしょう。
何をされているかというと、ドングリを拾って発芽させ、それを森に戻すことを続けておられるそうです。
山が荒れるのは、木がスクスク育たないから。手入れの行き届かない森では、木がまともに育たないから土砂崩れや地滑りを起こすそうです。
しっかり根が大地を掴むように張れば、山を守ることになる。だから、山に木を植えています。それがSDGsにつながるのです、ともおっしゃっていました。
世の中を良くしたいという願いの多様なことに感心しました。
そのラジオ番組を聴くまでもなく、近頃、植物園に行きたくてそわそわし始めていたので、今日あたり行ってみるつもりでいましたから、びっくりしました。
まさに、森に遊びにおいでというお誘いに応じた形で、仕事帰りに大阪市立大学附属植物園に行ってみました。
私が気になって仕方がなかったのは「カツラ」です。
もう、葉を落としてしまったかしらと、おっかなびっくり静かな園内を急ぎ足で向かうと、後少し、葉を残した美しい立ち姿が待っていてくれました。
誰もいない園内ですから、マスクを外していました。
枝に残る葉っぱばかりが気になっていた私ですが、突如として嗅覚がなにかを嗅ぎつけました。
甘いばかりでもなく、燻したのでもない、バニラに似たという表現も微妙な香りが辺りに漂っています。これがカツラの出す香りなのだと気づいたときには嬉しくて、葉っぱの残っている枝の下に潜り込んで匂いを確かめてしまいました。
知っていることと知らないことを区別出来ることが、知ることの第一歩。知らなかったことを知った喜びが心を充足させてくれる遠足でした。
さらに、本日の樹木体験は続くのです。
大形徹先生のグループラインに次の漢文が入ってきました。
「一年之計莫如樹榖、十年之計莫如樹木、終身之計莫如樹人、一樹一穫者榖也。一樹十穫者木也。一樹百穫者人也。」
一年の計は穀を樹(植)えるに如かず
十年の計は木を樹えるに如かず
終身の計は人を樹えるに如かず
訳は、一年で成果を上げたければ穀物を、十年先を見据えるなら木を植えること。でも、終身の計は人材を育てることに尽きる。ということらしいです。
故に、人育てが大切なり
といった人が誰かと思いきや、今から二千年も前の人々。
「衣食足りて礼節を知る」で有名な管子の中にある言葉です。
人を一人育てるには長い時間と手間がかかることは、大昔も今も同じ。社会に一番必要なものは人材であることも同じなのですね。
子育て真っ最中のお母さん。百年先の平和な世界を夢見てがんばってくださいね。