こころあそびの記

日常に小さな感動を

月読みの夜

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 今夜は「大変深い」部分月食が起こる日です。と新聞にも、SNSにも表記されていました。
 なんのことはない、欠ける部分が大変深く、97.8%が地球の影に隠れるという意味でした。ほぼ皆既月食に近いこと、その宇宙ショーを晴天の空で観測できることが期待されるとありました。
 あと、もう一つ、特筆できることがありまして、月食の時間が長いということです。

 地球の周りを回る月は楕円軌道上を運行しています。
 地球に近い軌道を通るときは見かけは早く見えます。反対に遠くの軌道を通るときはゆっくりに見えます。
 今夜は遠くの軌道を回っているので、そのスピードは遅いから、ゆっくり天体ショーを楽しむことができるというわけです。
 
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 先日から読んでいた『眠れなくなる宇宙のはなし』(佐藤勝彦著)は素敵なネーミングなのですが、私にとっては「難しすぎて眠くなる話」ばかりでした。でも、その中に出てくる数々の天才は、科学を大いに進展させた大学者ばかりです。
 
 望遠鏡もコンピューターも稚拙な時代に、昨日見えなかった星が今日は見えているなんて、どうして分かったのでしょう。学者という人達の根気強さと緻密さに脱帽です。
 たとえば、ニュートン万有引力の法則を覆したアインシュタイン。「本来は見えないはずの星が日食のときには見える」。そのことから、相対性理論を編み出したと聞いても、そうなんだ、で済まさざるを得ないことを白状します。しかし、重ね重ねそんなことから大法則を発見したことは人間業とは信じがたいことです。

 科学にも、神話にも疎いけれど空を見上げることは大好きです。
 たまには、自分はどの星になろうかなと夢見る日もあります。この世では全く女性ではありませんでしたから、おとめ座のスピカに親近感を覚えたりして。
 
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 今宵は月にスバルやアルデバランが付き添って上ってくるそうです。近視の私にはその姿はとらえられないかもしれませんが、それを知って見上げることが楽しみを倍増させます。教えてくださる方に感謝いたします。
 天文好きの凡人を夢の世界に誘ってくださって、ありがとうございます。