有明のまん丸お月様を西に見つつ薄明の中、歩き始めました。
東の方が白んできます。太陽が上る様子が見たくて心は逸ります。暁色がお日様が地平線に近づいていることを告げているので、急がなくちゃ。
ぽっかり姿を現した太陽は思いのほか大きくて、古代人がその存在を天の支配者としたわけが分かる気がする威容でした。
太陽にとっては今日という日が特別な日でもなんでもないのに、見ることが叶った自分にとってはスペシャルな日であることをうれしく思いました
いい朝でした。
そんな朝を迎えたのは私一人じゃありません。
日の出に対峙する老人。テニスラケットの素振りに精を出す人。ランニングする人。中でも、主人が投げるボールを飽きずに取ってきてご褒美をもらうラブラドールの姿は、微笑ましくて立ち去りがたいことでした。
あちらの方から、ニワトリがコケコッコーと鳴く声がします。会っていこうかなとその声の方に歩いていくと、いました!やぎさんが!!
カランコロンと首にぶら下げたベルを鳴らしながら草を無心に食べています。
今朝は、飼い主さんとお話する事ができました。
「おはようございます かわいいですね お乳がでるのですか?」
「子ができたらね もう男の子は去勢したからね」
「そうなんですね 失礼しました」
「それがどうしたことかお腹に子がいるんです 来年3月に生まれます」
「ええっ 楽しみですね」
やぎの赤ちゃんにあえるなんて。来春に早くも一つ希望をもらいました。
朝の散歩道にハイジの世界があること。そのうえ、またとない幸せのおすそ分けをいただいたこと。自分の中に幸せが広がっていく気がしました。
やぎの歌と言えば、子ども達の時代は「やぎさんゆうびん」でしたが、私が子供の頃の童謡は「めえめえこやぎ」でした。
「めえめえ 森のこやぎ森のこやぎ
こやぎ走れば小石にあたる
あたりゃあんよがあ~いたい
そこでこやぎはめえとなく」
ご存知の方はおられませんよね。