うれしくてウキウキしていると、体も元気になって、寄り道もなんのそのになるものです。
なので、仕事帰りにお気に入りのパン屋さんまで、遠回りしてしまいました。
クリスマス月ですから可愛いクッキーオーナメントもありましたよ!
いつもと変わらず、女性3人の企業メンバーが元気に切り盛りされている店内にはホットな雰囲気が漂います。
娘御用達の食パンとガーリックフランス、自分用にクッキーとチョコロングを買いました。
うれしいこととは。
近頃迷宮入りしている件があって、やっぱり自分にはこれ以上進めそうにないと気落ちしていました。
世の中が西洋医学一本やりの啓蒙になりすぎている。東洋医学を教える機会がないから、人々の健康に対する考え方に偏りが生じているのではないか。
そう考えて、漢方のセミナーを始めたのですが、漢方薬にもさほど興味を持っているわけでもなく、漢方の考え方が好きなだけです。
それでは、他人に納得してもらうには根拠がなさすぎます。わかる人には分かる、それだけではだめだとずっと考えていました。わからない人にも分かってもらうには、どうしたらよいのか。
ずっと、思いを変えずに思い続けたら、答えが閃くと申しますが、一向にその気配もなく間もなく力尽きるように感じていました。
そうしたところ、先日、産経新聞の夕刊に「貝原益軒」が載っているよと知らせて下さった方がありました。
彼が定年後の70歳を過ぎてから著した『養生訓』は健康に関する啓蒙本だと、一般には思われています。
しかし、元々は朱子学者でした。
朱子学は江戸時代に幕府が奨励した学問です。なぜなら、儒学を元にしていますから、為政者には都合のよい学問だったのです。
厳格な道徳を学ぶことで輩が武士になったといわれます。
学問を教える側であった益軒は疑問を持ったのです。
世の中の理をどんなに勉強しても、それとは異質なところに幸せの種があるのではないかと。それが、誠の心の自由でありました。
持ち前の好奇心と学問的な裏付けをもって書いたのが『養生訓』でした。
そして、ついに、「自ら楽しみ人を楽しましむべし」というモットーに辿り着いたのです。
何気ない日常を心地よくするには身の回りを好きなもので満たして楽しく暮らすこと。四季や花や鳥や人々との交際などに健康の元を発見したのです。
西洋薬とか漢方薬とか、それを知ったとしても、人は健康になれない。
人は、どう生きるべきかを探り始めなければ、本当の幸せに到達できない。
自分と同じ考えを益軒先生が説いていたことに大きな喜びを感じたのです。
今日、薬局でお話した方は、血液検査の結果を見せながら、「私、なにが足りないの?タンパク質?」と心配そうなお顔です。
その方面に知識のない薬剤師は「足りていますよ。不足に思わないことです」と申し上げたら、この方は分かる人でした。にこにこして「また、教えて!」といって帰って行かれました。
生きていることは、それだけで過不足なしの証拠です。ありがたい。と思うことが極上の健康法だと思いませんか。