こたつに足をつっこんでお茶しながら、テレビで穂高連山の紅葉を満喫できるのは、今に生きる幸せの一つです。
その番組で司会者と一緒に案内してくれたのが、美村里江さんでした。
こういう時、女優さんが同行すると自然を味わうことを損ねてしまうこともありますが、目深に帽子を被って、口数を抑えたナビぶりに、やっぱり頭のいい方なんだという思いを深くしました。
彼女が書かれている産経新聞「ミゴコロ」というエッセイを楽しみにしている読者の一人です。
一昨日の「蜘蛛の話」に親近感を持ちました。
「将軍!」で始まったので、てっきりご主人をそう呼んでおられるものと思いきや、突然、遭遇したアシダカグモのことでした。
びっくりするほど大きくて、とてつもなくすばしっこい巨大な蜘蛛です。この蜘蛛のことを別名”軍曹“というそうで、彼女は慌てふためいて「将軍!」と叫んでしまったというところから、エッセイは書き出されていました。
家の中のゴキブリや、時にはネズミなど、害虫駆除をしてくれる益虫だといわれても、やっぱりその姿と出会うと恐怖が先立ちます。
蜘蛛が、魔法使いの世界に使われるのも納得できる気の毒な蜘蛛です。
ヤモリは天井裏で家を守ってくれているといいますが、この軍曹は餌が無くなれば引っ越します。
先年、家をリフォームした際、お隣の住人から、「近ごろ、でっかい蜘蛛がよく出てくる」と告げられました。彼らが、トンカチとうるさい家から逃げ出して、隣家に引っ越したことを知り、心の中で笑ってしまいました。騒音も苦手のようですね。
他にもいます。
昨夜は、緑色の蜘蛛が出現しました。
「キャー!」とティッシュに手を伸ばす私に孫娘が、「庭でいっぱい見かけるよ」というのです。
調べたら「ワカバグモ」でした。そういえば全身きれいな若草色で蜘蛛の範疇から逸脱したクモでした。
それから、薄暗い朝に庭に出ると、ジョロウグモの巣に引っかかることがありますから、くわばらくわばら。
玄関には、取っても取っても網を作るハエトリグモ。
そろそろ大掃除しなくてはと思いながらも、次の日には網ができているのを考えると、もうちょっと後にしようなんて、さぼる口実にしています。