実は、昨日、始発電車に乗ってお伊勢さんへ初詣に行ってきました。
去年は、コロナ騒動真っ只中だったので、断念しましたが、今日なら行ける!と思いきりました。
生駒山に向かって走る車窓からは、日の出が迫っているしるしを知らせる曙色の空に、穏やかに波立つ雲が映えていました。
この時刻に東に進む幸せを十分に噛み締めたことでした。
外宮前の「月夜見宮」(豊受大神宮別宮)から参拝。大きな楠が迎えてくれました。早くから、落ち葉を掃き清めてくださっている方にお伺いすると、樹齢は四百年とも五百年ともいわれていますと教えてくださいました。
朝の光が楠を通して射してくる雰囲気がお宮に満ちていました。
内宮では、いつもは静かな「風日祈宮」にも参拝者が見られました。風日祈宮橋を渡った先に宮名通りの愛すべきパワーが待っています。
外宮、内宮、両宮にある風宮は元寇の神風への貢献から別宮に昇格したそうです。日本を守る風だったんですね。なのに、なぜ近頃は暴風が多いのでしょう。屋根を飛ばされた経験をした私は、つい恐ろしい方を思い出してしまいます。
どうか、優しい風を吹かせて下さいとお祈りしました。
参道では、外国語も聞こえて来ました。
外国の人は、この何もないただただ清冽な空間をどう思われるのでしょう。
観光地といえば、例え宗教施設であっても、何か厳かな建物があるのものです。それらが全くない空間を心の故郷とする日本人の理解に繋がったなら、嬉しく思います。
最後に、「月読宮」(皇大神宮別宮)にお参りしました。
ここの参道がまた素敵です。森の中に私一人の玉砂利を踏みしめる音が響きます。大きな音を立てないようにと思いながらの参拝でした。
それから、是非、ご報告したいのは、おかげ横町の皆様の対応です。しばらく見なかったほどの大勢がどっと押し寄せたにもかかわらず、どの人も最高のホスピタリティー精神で迎えてくださいました。
さすがに、天照大神の元でお仕えする方々だと感心しました。
考えてみれば、私たちはみんなそんな日常を送らねばならないのに、忘れがちです。それを思い出させて下さった“おかげ横町”の皆様ありがとうございました。