こころあそびの記

日常に小さな感動を

空との対話

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「天気予報士」になりたい女の子が、ラジオの天気予報士の方に、どうしたらなれますかと尋ねていました。
 「あなたは、空を見るのが好きということだからがんばってね」と伝えた予報士さんが続けてお話されたことに、耳をそばだてました。
 「今日はガリレオ木星の4つの衛星を発見した日です。彼はそのことから、地動説に確信を持ったと言われています」と。
 宇宙ステーションや月へ旅行できる時代になっていますが、天体に飛んでいくどころか、手作り望遠鏡で空を毎日毎日眺めて観察して計算して、深い真実を発見した昔の人の気概に頭が下がります。
 更に、当時は口外が許されないほどの発見を確信を持って、発表した勇気にも拍手です。自分たちが住む地球が世界の中心であると信じていたキリスト教会の大反対を受けながらも、否、地球が太陽の周りを回っているのだと言い切るには、人間としての強さが必要です。
 大きな転換点があったから、その後の科学を進化させました。すごい先人たちのおかげで出来上がった今に感謝です。
 
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 脱線しましたが、気象予報士への第一歩は空の姿、雲の様子を観察する事から始まるようです。
 「今日の形のはっきりしない雲が冬の雲、夏の雲は形がはっきりしてるでしょ」
 そんな説明を聞きながら、今朝の東京の大雪のことを思いました。
 少し前までは、なぜ大雪になったのかという解説にある南岸低気圧なんて言葉もなかったし、風の動きを表すCGも見られませんでした。
 そういうことは、人間の五感が担うものでした。南からわく雲の様子や風の方向から天気を読むことに長けておられたのは、なんといっても命に関わる漁師さんではないでしょうか。
 それと、昔は、殆どの人が農業に携わっていたこともあって、その土地の人に聞けば、天気の次の進行は分かるものでした。
 都会育ちの私も含めて、自然を身体で読める人間が減っていくことには、一抹の不安があります。

 防災という言葉で準備をする事は大切に違いありません。しかし、一人一人の五感が緩んでいては太刀打ち出来ないところもあるように思います。
 といって、何ができるわけでもありませんが、せめて空を見上げてお天道様に祈ることは続けていきたいと思っています。
 
 今年は阪神大震災から27年。
 あの日の朝の雲の色は忘れません。それを語り継いでゆくことくらいしかできません。それほど、自然は畏れ多いものだということも忘れてはなりません。

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