土用とは四立前の18日間を指します。四立とは、立春、立夏、立秋、立冬のこと。
今は、今月5日から始まった寒中ですから、寒土用と呼ばれます。
西高東低の気圧配置が続いて天気図の上ではまだまだ冬最中です。しかし、寒さで縮こまった体に、そんなことないよ、寒さは底を打ち、立春がそこまで来ているんだよといわれるだけで希望を感じます。
自然に親しむことの少ない現代人まで救ってくれる、四季の言葉を考え出した先人に感謝です。
夏の土用は夏負けしないように体力を養うことが大切といわれる期間ですが、冬の土用は寒中に当たりますから、何より風邪に注意です。
折しも、コロナ真っ只中ですから、体力を消耗しないよう、一にも二にも温かくしてお過ごし下さい。
乾坤に寒という語のひびき満つ 富安風生
乾坤とは天地、太陽と月、夫と妻、陰陽、などのこと。
天地が冷え切る寒さが、却って気持ちを引き締めてくれるように思える寒中です。
明日は満月。明明後日は大寒。月が沈んだ明け方の冴えた空に輝く冬の星々がお楽しみです。
大寒の津々浦々に星の数 石川万里子
昨日、池田をウロウロしていたら、小さなプラネタリウムを見つけました。星好きですから、素通りはできませんでした。
投影テーマは「三つ星」でした。オリオン座の星座の中にある三つ星が、他の冬の星座を探すのに都合が良いことを教えてもらいました。
三つ星の傾きを利用するのだそうです。
右肩上がりですから、右へ延ばしたとこにあるのがアルデバラン。その延長線上に昴があります。
とはいえ、大阪の空で、しかも、ど近眼ではこの昴という七つ星を捉えることは難しいことです。
「星は昴、彦星、太白星(宵の明星)、よばい星」(枕草子236段)
清少納言も実は見えていたかどうか怪しいらしいです。それでも、筆頭に昴をあげているのは、古代の人にとっても魅力的な星だったことが想像できます。
どこに惹かれるのか。
探さねば見えない。今日はいくつ見えるかしら。それが心を捉えるのでしょうか。
翻って、谷村新司さんの超有名な『昴』という歌。
中国で大旋風が起こったと聞いたときは、さもありなんという気持ちでした。私は歌をメロディーから掴む方なので、なぜか、あの曲を聞いていると壮大な宇宙が見えてくる気がします。行ったことも、見たこともない中国内陸部の天空の無限の大きさを感じます。
彼は著書の中で、『昴』が天から降りてきた曲であると明かしておられます。
宇宙天使に「そこまで、自分の力でがんばったのだから、今からはこちらから直接指導してあげよう」と、いわれたそうです。
そこが大事ですよね。
あなたを見てくれている誰かがいる。そして、がんばったあなたを応援してくれる奇跡がおきる。それが、すべての人々の希望です。夢です。