こころあそびの記

日常に小さな感動を

鴨たちに癒されて

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 冬至から1ヶ月。目は覚めているのに、もうちょっとだけと布団から出るのをためらう時間がついつい長くなってしまいます。

 今朝、犬と一緒に外に出たら、月明かりが庭一面に広がっていました。
 しまった!昨日、嘘を書いてしまったと恥ずかしくなりました。月が沈んだ後の朝方の空の漆黒はすでに見られなくなっていたのです。夜明けが早くなっています。
 
 月天心貧しき町を通りけり  与謝蕪村
 
 今晩の満月はミニマムムーンというらしいです。 
 小ぶりの月から降り注がれる光が大地のお清めになりますように。
 
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 うちの薬局を懇意にしてくださっているおばあちゃん。
 「おかわりございませんか?」
 「はい。じっとしてたらあかんと思って、朝夕近くの池まで15分ほど歩いています。鴨ちゃんに会いに行くんです。『鴨ちゃん~』と呼んでみたりして」と笑顔で話してくださいました。
 鴨たちの色が変わってきたでしょう?と話しかけてみましたが、それはスルーでした。
 気づいておられるだろうか?
 カモフラージュ柄から個体特有のきれいな色に変わりつつあることを。
 お伝え出来なかったことを悔いながら彼女をお見送りしたあと、鴨の色について知らないという同僚に知ったかぶりをしてしまいました。
 
 大方の生物の世界では、男性が綺麗に着飾ったり大きさを誇ったりして、異性に気に入られようと必死なのに、どうして人間だけは女性が男性に選んでもらうシステムになってしまったのでしょう。いつのまに?その昔、女性が太陽だった時代はどこへ消えてしまったのかしら。
 現代は、男社会が作った法整備のおかげで、結婚も男性に決定権が委ねられるようになりました。
 鴨の雄たちが美しく変身していく姿を見ながら、これが男性の本来の姿だよね。法律に守られる男性像はなんだか頼りないよねと、鴨ちゃんに話しかけます。
 
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 物の本によると、鴨たちの内、冬鳥の種類はもうすぐ北へ帰って行くそうです。
 北方の夏は短いため、日本で予め婚約を交わして飛び立ち、北の繁殖地に着いたら結婚するのだとか。
 長い旅を遺伝子に組み込んだ厳しい掟は誰が課したものなのでしょう。
 川で無邪気そうに遊んでいる鴨のどこにそんなエネルギーがかくされているのですか。
 感服するばかりです。