こころあそびの記

日常に小さな感動を

心を定めて、地に足つけて、

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 うっすらと地面を覆う白い雪。 
 笑う事なかれ。娘家族が起き抜けに、この雪をかき集めて雪合戦の真似事をしていました。雪国の人には叱られそうですが、大阪の人間にはうれしい積雪です。寒いことなど飛んでしまう笑顔の朝でした。

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 和んだあとは、緊張です。

 仕事場はコロナの発熱外来に人が押し寄せています。
 先週までは、こんな混乱はなかったのてすが、今週に入って急増しています。
 住宅街にある小さな薬局でこんな状態ですから、大きな病院は大混乱が続いているのではないでしょうか。
 
 今に始まったことではなく、感染症は人類が何回も乗り越えてきたものです。お手本になるような対処法は残されていません。その時その時、必死で敵をかわして収束を願ったというのが本当のところではないでしょうか。
 でも、その経験が確実に遺伝子に書き込まれていますから、当時よりはつよい人間になっているはずです。この“つよい”は、肉体と精神の両方に当てはまりましょう。敵を怖れず、自分のいのちを信じる生活態度が大切です。
 この経験が、いつかずっと先の自分を成長させているに違いないと信じて、今日一日の足取りを確実なものにしたいと思っています。
 信念がないと浮き足立ってしまいます。それが、敵を招き入れてしまうことになりかねません。
 
 
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 良寛さんが大地震に遭った友人に送った見舞いのお手紙に書いた言葉は、
 「 災難にあう時節には、災難にあうがよく候
  死ぬる時節には死ぬがよく候
  是はこれ災難をのがるる妙法にて候」。
どうでしょう。こんなお手紙をもらったら、なんと冷たいことを、と大方の人は思うことでしょう。
 最後の行の「妙法」に良寛さんの心が見えます。五合庵で自分と向き合い続け、行き着いたのは、なんで?という理屈のない世界でした。因果律を超えたところに到達されていたことが分かります。

 じたばたしても詮無いこと。
 今すべきことは、無駄に渦中に巻き込まれるのではなく、自分を守ることです。
 それは、敵を外にこしらえるのではなく、自分の中の敵を知ることです。悲観的になったり、なんで私だけと思ったり。そんな自分を励ますのは自分です。
 災難は辛いこと。でも、それは、自分を練るチャンスだと思いさだめることも必要です。

 良寛さんほどに達観はできなくても、あるがままの自分を勇気を持って見つめることはできます。
 きっと隠されているであろうコロナのメッセージを強い気持ちで受けとってまいりましょう。