朝から晩までコロナコロナの大合唱。
そんなコロナですが、ここにきて朗報を耳にしましたので、お知らせしたいと思います。
こないだ、コロナに罹患して大変な目にあったと漏れ聞いていた方に、久しぶりでお目にかかりました。
「その後どうですか?」
「いゃー、それが快調なんです」
やせ我慢か、こちらへのお気遣いかと思いましたが、次いで出た言葉で本当に完治されたことを確信しました。
「あれから、持病の頭痛が治ったんです」
「ええっ?頭痛持ちということは、頭痛薬をずっと服用されていたということですか」
「そうなんです」
新聞社を経営されているから、肩こりからくる頭痛は仕事病と諦められていたようです。
それが、コロナですっかり治ってしまったというのです。
私はピンとくるものがありました。
それは、世間に流布している「馬鹿は風邪を引かない」という言葉です。
この”馬鹿“は体が馬鹿になっているという意味です。
身体が鈍感になっていると、周囲の刺激に敏感に反応しません。だから、風邪さえ引かず、そんな人に限って突然の大病に襲われると書いてある本を思い出しました。
『風邪の効用』(野口晴哉著)です。
まだ捨ててはいないはずと、朝からガサガサ探したらありました。まだ、断捨離にかかっていませんでした。
現代医学の勉強をされている鍼灸柔整師の方はどう思われるか分かりませんが、「野口整体」は今から半世紀前には一世を風靡した健康法でした。
実は、母もどんなご縁か知りませんが、仁川教室に通っていたことがあります。
ある日、その教室で洗面器いっぱいの大量の鼻血が出たらしいです。その時、「良かったね。助かったね」と言われたと母が話していたことがありました。
その頃は、何のことかよく分かりませんでしたが、今なら、指導者のおっしゃったことがよく分かります。確かに循環系に弱みを抱えながらも、その後二十年生きました。
身体は一部で生きているのではなく、全体で助け合い励ましあって生きています。
ですから、「風邪」に罹ったら、身体全体が活性化してしばらく出番のなかったものまで総動員します。全身が目覚めざるを得ない状態に陥ります。
これが、成功してうまい具合に治った暁には、爽やかな気分と身体が軽くなったように感じるのです。そんなふうに治るのが一番です。
私たちが子供の頃は、風邪を引いたら布団をいっぱいかけられて汗をかかされて、下着を何回か替えたら、温かいお粥を美味しく啜ったものです。そのころには、風邪が抜けて気分爽快となった記憶をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ところが、忙しい現代社会では、そんな悠長なお休みはできません。解熱鎮痛剤と抗アレルギー薬を多様して、治ったようで芯から治らない。そのうち治るだろうと無理を重ねています。
野口先生がおっしゃるには、風邪を引いたということは、身体にどこか歪みができていて、それを治そうという要求が出てきた証拠だそうです。
だから、罹る時には罹ってよいのだと思います。風邪が新しい身体にしてくれるのです。
そして、みんな一人一人、風邪を引くといっても理由が違います。食べすぎの人、飲酒がすぎる人、ストレス多い人。思い当たることはないですか?
ちょっとした油断で冷やしてしまうときも要注意です。
コロナ罹患後に健康体になられた方もいらっしゃる。正しく恐れて正しく養生すれば、体はそれに応えてくれることを聞かせていただいて嬉しく思いました。「負けないで♪」。たとえ、罹患しても、しっかり養生して、元気に回復いたしましょう。