こころあそびの記

日常に小さな感動を

いのちの特効薬

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 昨日は遠くて見えない、時空を越えた場にある希望をお話しましたが、そんなことに了解の余地を持たない人にも納得できる場所があります。
 それは、この世にあって見えるから受け入れやすいものです。
 そしてその事を、分かりやすく知らしめるために生まれてくるいのちがあるのだと思っています。

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 AKB48の中心メンバーである柏木由紀さんが大病を患っておられたなんて、ちっとも知りませんでした。
 たまたま、昼休みにつけたNHKきょうの健康」に出演されていまして、しっかりと病気を克服されたこと、その病気から学んだことを話されているのを観て感銘をうけました。
 一年ほど前から手が痺れる自覚があったそうです。検査で「脊髄髄内腫瘍」と判明し、7時間に及ぶ手術で首の後ろの5.5cmの腫瘍を摘出したとのこと。
 いっぱい泣いたはずなのに、アイドルを終生貫くと決めている彼女はどこまでも明るく闘病のすべてを話してくれました。強い人です。
 他人を元気にしたくて励む仕事をして15年。今回のことで、自分を大切にしなければお仕事は続けられないことが分かったといいます。
 病からの復帰に一番効いた薬は「早く(みんなと一緒に歌って踊る)あの場所に帰りたい」という気持ちだったそうです。
 「私には帰る場所がある」という支えほど力を与えてくれたものはなかったとおっしゃっていました。
 
 大病といえば、池江璃花子さんです。
 彼女の復帰は、運動音痴の私には信じられませんでした。意気地なしの私が彼女の立場ならこれを機に止めようと即座に思ったことでしょう。でも、今の彼女の中にはそんな弱音は欠片もなさそうです。
 どうしてもプールに帰りたいという尋常でない強い思いが不可能を可能へ転換させることを示されました。
 体は肉体だけでは動かないこと。熱い心が突き動かすものであることを実証して見せてくださいました。

 「帰る場所」がある。言い換えれば、「なんとしてもしたいことがある」ということかもしれない。そう思ってテレビを観ていたら、春に開場する市立中之島美術館の御披露目が報じられていました。
 大阪、北野高校(北野中学)出身の画家、佐伯祐三氏の『郵便配達夫』がドーンと映し出されました。
 彼は、この絵を描くときにはすでに立ち上がる力も残っていないほどだったのに、郵便配達員を見かけてどうしても描きたいという情熱が迸ったといいます。
 そんなこととは知らなかった。早く中之島美術館に確かめに行きたくなりました。
 
 帰る場所があること。
 どうしてもやりたいことがあること。
 
 いのちが必要とするものは、安らぎと燃える思いであることを、あらためて教えられたことでした。