こころあそびの記

日常に小さな感動を

Miraculous sea ice!

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 ビビデバビテブー!真夜中の魔法でうっすらと雪化粧した朝。大阪ではこの程度でも、うれしくて犬と駆け出したくなるのです。
 ところが、見上げた空は薄い雲に覆われて、星の煌めきを十分に味わえなくて口惜しいことでした。
 北斗七星からアークツゥルス、スピカと繋がる春の大曲線。そして、早くもベガが東から上り始めているところも観察できました。
 それでも、違うのです。もっと、真っ暗でないと瞬きが見えないのです。本当なら、昨夜は新月。真っ暗であるはずでした。
 雪と星。二つとも欲しいというのは、子供のおねだりみたいですね。
 漆黒は星を美しく輝かせる条件です。
 中之島の市立プラネタリウムが一新されて再開するそうです。6K画面で黒がより鮮明になったから、星の投影もより鮮やかになったと報じられるのを聞いて嬉しくなりました。ですよね。漆黒の闇だからこそ宇宙空間の広がりに吸い込まれそうになるのは、私だけの思いでなかったことに一安心。

 さて、現在、皆さんが経験されているように、薬の欠品が続いています。患者さんにお謝りしたり、卸さんと交渉したり、一日はあっという間に過ぎていきます。そんなとき、ヒートアップした頭を冷やす小道具を持つことで冷静さを保つことが出来ます。私の場合はネットで見た冬景色がふと脳裏に浮かぶ瞬間の心旅に救われています。

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 「雪流れ」という美しい言葉を発見!
 新潟県魚沼市大白川(あぶるまがわ)に見られる凍った雪の塊が流氷のように流れることを指すそうです。
 この豪雪地帯にだけ見られる自然の造形です。溶け出した雪が土を肥沃にして、次の年また美味しいお米が穫れるという循環に感謝します。

 そして、冬景色の代表格といえば「流氷」です。厳寒の1月に行けば見られるかといえば、そうでもなくて、接岸は網走では今頃です。もう、接岸したのでしょうか。
 接岸する音は網走の市街地に居ても聞こえる、というのは私が行った五十年前の話です。今はどうでしょう。
 ただ、接岸したら、音が途絶えてシーンとした世界になるのは今も同じなのではないかと思います。その無音の静寂と明るい光の対比が非日常です。
 ところで、流氷になる海氷は北極から流れてくるかと思っていましたら、これがアムール川から流れ出る真水が作用して作られるそうです。
 アムール川が大河であること、オホーツクの海が海氷の出来る南限緯度にあることなどいろいろな条件の重なりで、海氷が春近しと割れて流れ着くことは奇跡です。
 世界にはいくつも奇跡の景色があると承知しています。しかし、それでも、沖縄から北海道まで、日本列島は地球上に類をみない特別な場所だと思えるのです。

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 「氷映」とは遠くの海の上の雲の底が白く光っている様子。それは、太陽が流氷を照らし、その反射光が雲に当たっているからです。
 それと似た光景を朝の庭で見ることがあります。日の出前の太陽が下から照らして、浮かんでいる雲を眩しく輝かせているところです。
 心の故郷、網走に想いを寄せて。