キトラ古墳壁画の北壁が公開中です。
それに併せて、プラネタリウムが開催されているとは知りませんでした。プラネタリウム好きには迂闊なことです。
実は数年前に見に行ったことがあります。
壁画も素晴らしいのですが、天井に書かれた天文図も感動的です。西洋星座でさえおっかなびっくりの身には、中国式星座が74個も描かれ、その一つ一つが現在の星座に当該すると言われてもそう信じるしかありません。が、素人にはその美しさの方が興味あるところです。それぞれの星に金箔がのせられて、色褪せていないことに驚きます。
丸い全天といい太陽と月といい、1200年前の人もこんなふうに夜空を楽しんでいたんだ、と思うだけで四次元世界に誘われる気持ちがします。
高松塚古墳やキトラ古墳の発見が古代史研究に大きな影響を与えたように、新発見がこの先を予想するばかりか、過去を照らし出す場合があります。
例えば「東」という字。この字を『説文解字』を著した許 慎は、「木」の部に分類しています。
なぜかというと、「木+日」と考えたからです。
日がある場所によって、「杲」木の上に太陽があるから「明るい」という意味。「東」は木の中に日があって、「杳」は木の下に日があるから暗いという状態。時間的経過を木と日で表したのです。
ところが、その後に甲骨文字が発見されることになります。
甲骨文字の「袋の形」を東に当てたのです。
なぜその袋を東としたかというと、発音が似通っていたからだそうです。
言語は音が先行して存在します。
トウと発音していた”ひがしの方向“を、トウと発音する袋の形の字に当てたというわけです。
単純にお日様が木の中にあるほうが納得しやすいようですが、歴史とは大発見によってひっくり返るものであるという例に使われる「東」です。
因みに、春は東からやってきます。まだかなまだかな。
早く、自由にお出かけできるようにならないかな。なったら、明日香やキトラ古墳にも足を延ばしてみたいです。