こころあそびの記

日常に小さな感動を

解き放たれて

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 国際女性デーのシンボルツリーであるミモザが満開です。連翹などに先駆けて春を彩るたっぷりした黄色に元気をもらえます。

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 スプリングエフェメラル(春の妖精)。この2、3日の陽光で一気に紫色のクロッカスが開花しました。
 地面にくっついて咲くところが魅力です。
 俵万智さんが、
 
  「クロッカスが咲きました」という書き出しで
   ふいに手紙を書きたくなりぬ 

 と『サラダ記念日』に収められています。
 クロッカスの花が胸の奥にしまっていたものを浮上させるのかもしれません。そんな、衝撃を持つクロッカスです。

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 柳が芽を吹き出しました。
 行ったことのない北京の春の風物詩。
 かの地を想像しながら中国詩を読みたくなる日です。

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 春到来の喜びで胸を満たしたところで、阪大箕面キャンパスにある図書館に着きました。
 ここは、阪大が管理している図書館内に箕面市立図書館が併設されています。
 毎日が日曜日になるこれからの日々。
 ここに来れば、知りたかったことが大学図書館いっぱいにあります。
 今までうろ覚えで書いていたものが、これからは、典拠を示して書けます。ありがたや~

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 実は、昨日の夕刊に、この金庫の鉄扉のような写真が載っていたので、来てみたくなりました。
 これは、旧大阪外事専門学校図書館にあった書庫の鉄扉で、昭和20年の大阪大空襲の日、焼夷弾が降りしきる中で決死の思いで蔵書を守った教員が居たと書かれていました。
 祖母の経験した大阪大空襲。お蔵の鉄扉は供出したため、火は全てを焼き尽くしたと聞いています。祖母のつらい老後の始まりでした。
 そんなことを思いながら、モニュメントになった鉄扉を見ました。思いのほか、小さいものでした。この扉を必死で守った白井正さんのおかげで6万冊の本が現在に受け継がれることになったそうです。
 とっさの行動は、自分の中に育てたものから生まれるはずです。ひょっとすると、どうしても守らねばという堅い信念は、この時代だから醸成されていたのかもしれません。
 
 完成したばかりの図書館で本に囲まれる毎日が楽しみです。もう斜め読みしなくてもいいんです。時間は有り余るほどありますから、知らないことを知る喜びを満喫いたしましょう。
 散歩と合わせて、心をゆっくり解きほぐしたいと思っています。