こころあそびの記

日常に小さな感動を

「旅の終わり」を歌った頃

 “薔薇が咲いた 薔薇が咲いた 真っ赤な薔薇が”
 雨の中で、我が家の庭に今季初めて一輪のバラが咲きました。

 NHKBS『地球トラベラー 利尻山 遥かなる頂』を見ました。
 冬の利尻富士を撮影するために、約3ヶ月、登っては断念、あと少しという峰に到達しているのに下山の決断。
 利尻はシベリア季節風対馬海流(暖流)が出あうから冬は荒天が多い場所だとか。そのため、登山(撮影)は順調にはいきません。
 しかし、最後は神様の計らいがあったとしか思えない一瞬の晴れ間に、「ノコギリ尾根」の撮影に成功されたという感動のお話でした。リーダーの落ちつきとサブの優しさが、この撮影を成功させたものと思いました。

 また、あの名菓「白い恋人」のケースに描かれている山は冬の利尻山だそうですよ。撮影ポイントがあるのは、ちょっと・・・

 ということから、大学の時に行った夏の利尻島礼文島を思い起こし、よくもまぁ、あんなに遠いところまで出かけたものだと、あらためて怖いもの知らずだった青春が胸に蘇ります。
 
 昔は「北海道周遊券」という学割の切符がありまして、それを利用して、かに族全盛のブームに乗って行ったわけです。当時、礼文島の桃岩ユースホステルが有名で、楽しみにして宿泊しました。ギターの弾き語りの得意なモテモテのお兄さんがおられたのですよね。
 「君ら、大阪から?」と言われ、大阪人はその時代から目立つ存在だったことも懐かしいことです。
 

 その頃は、まだ「白い恋人」はなかったはずですが、帯広、六花亭の「ホワイトチョコレート」はありました。
 北海道に魅せられて、次の冬に網走に行ったとき、「ホワイトチョコレート」を買いに行くツアーを決行したことも今だに思い出すことがあります。
 一緒に行った友人に加えて、ユースホステルに同宿した人と総勢4人で網走をシバレル早朝に出発。釧網線で釧路へ出て、乗り換えて帯広でチョコレートを買って、すぐさま折り返してその日のうちに網走にかえる行程でした。
 夜も更けてからの帰館でしたのに、ペアレントさんが石狩鍋を準備して待っていて下さいました。そのお気持ちと美味しさが冷えきった体に染みたことが忘れられない思い出です。
 心さみしい自分にとっての、転換点はこの旅でした。
 出会った人みんなが私を変えてくれました。人はいいもんだよ。と。
  

 最後に、北海道ユースホステルのミーティングに歌われたこの歌を覚えておられる方はありますか?

 「旅の終わり」
 夢のような旅だった 遠い北の国の
 僕は旅のよろこびと 旅のつらさを知った
 (中略)
 こんなつらい旅なんかもういやだ
 旅を終わろう 汽車に乗ろう

 いつの時代も若者が夢のような旅ができますように。