こころあそびの記

日常に小さな感動を

太陽とカラス

 万博公園に行ってきました。
 7月に入れば「観蓮会」が始まり、人出も多くなりそうなので、今でしょ!と行ってきました。
 開門と同時に向かう先は、はす池です。
 夏至になったと知って花を開くのは、組み込まれた精巧なセンサーのおかげです。
 朝陽を浴びて目覚めた花々と、木々を渡る風の音だけの園内で、一人っきりの贅沢を味わってきました。

 空はどこまでも青く澄んで、絹雲が浮かんでいます。梅雨はどこへやら。
 夏至の直射日光を避けるための天の配慮である梅雨がないならば、今年の長い炎夏は覚悟が要りそうです。

 こんな看板があちらこちらに置かれていました。それだけカラスが幅をきかしている証拠です。

 カラスは太陽と関係が深いと、古代中国の伝説に書かれています。
 なぜか。カラスが黒いということにヒントがあるようです。
 昔の人が太陽を見上げているときに、真っ黒なカラスが横切り、それが黒点に見えたのではないでしょうか。
 そんな昔から、太陽を観察した人がいて、黒点の存在も知っていたとは、古代人恐るべしです。

 私たちは今、地球は温暖化に進みつつあるとばかり教え込まれています。

 そのことに、異議を唱える学者さんを発見しました。
 『眠りにつく太陽』(桜井邦朋著)という題名に興味を持って、読んでみました。
 桜井先生は1977年に「20世紀後半から21世紀にかけて、寒冷化する」と予想され、ネイチャーに発表されたそうです。見事に外れた!にも関わらず、懲りることなく再度、太陽の元気のなさから、これから寒冷化に向かうと唱えておられる勇気ある科学者です。
 太陽の活力は、黒点の出現と関係があるそうで、黒点が出現する元気な太陽なら磁場が地球を守り、宇宙線の地球侵入が防がれる。宇宙線が入ってこなければ、地球上の大気の電解は進まず、雲の生成に影響を及ぼさないと。
 しかし、昨今、太陽の黒点は少ないまま推移しているそうです。元気がない。
 これが、どんな影響を及ぼすのか、わからないことを危惧されて、次のような言葉をあとがきに書いておられます。

 「地球とその歴史を支配するのは人類なのだと考えてしまった尊大さと傲慢さに対して、太陽からしっぺ返しを浴びるのだ。
 私たちは謙虚になり感謝することで、太陽の“怒り”を鎮め、いつもの太陽に戻ることを太陽に決心させることになるかもしれない」。

 天の科学者の方が、おっしゃるのです。  
 深い思索は、人を高みに連れて行くという言葉通りです。
 


 「 『十日(じゅうじつ)』
  太古、太陽は十個あった。
  一個ずつ日替わりで昇っていた。
  堯帝の時代に十個いっぺんに昇っ    
  たら、灼熱で草木は枯れた。弓の名人  
  が九個の太陽を射落として人々を救っ
  た。」(淮南子より)
 そして、太陽には三本足のカラスが描かれています。
 
 

 「お手てつないでみな帰ろ
  カラスと一緒に帰りましょう」
 夕焼けが始まったら、ねぐらに帰るのは太陽が眠る時間が来たから?
 一年で最も短い影を踏みながら、カラスはお日様のことが好きだから、カーカーと鳴きながら飛でいるように思えて、怖い気持ちがちょっと薄れたように感じました。