関東ではフェーン現象も伴い大変な暑さになっているようですが、大阪は昨日、今日と凌ぎやすい日が続いています。
それは、一に”風”のお陰です。
緑陰に風が吹き抜ける公園が近くにあることをありがたく感じています。
風は気を拡散してしまうもの。といえば、何か大切なものまで消えてしまいそうですが、片や良い風が吹くといえば、元気になれる象徴です。
風は天候を読むだけでなく、古来、人々に”気“の情報を伝える大切な要素だったから、風水という学問が成り立ったのでしょう。
その“風”は、最近では再生可能エネルギーとして脚光を浴びるようになりました。
風水という目に見えないものの働きを知ろうとしたのは古代人。現代人はそれを捉えて利用しようとしています。そんな大それたことと昔の人なら言うかもしれませんが、エネルギー不足の現状打破のためには、そんなこと云ってられません。
それも含めて研究する学問が「海洋システム工学」ということを昨日、教わりました。
公開講座第4回は『海洋の生物多様性と生態系サービス』というテーマで、中谷直樹教授がお話くださいました。
私の父の親は淡路島出身でしたから、うんと幼かった頃は、淡路島に預けられていたというか、避暑させてもらっていました。
井戸を覗き込む感覚とか、タコはどんなふうに動くかなど町の子ならではの発見がありました。
おかげで、弱っちい体も丈夫になりました。
少し大きくなった小学生の頃は、当時、父が勤めていた会社の「海の家」が、福井県若狭和田にありましたので、夏休みはそちらに逗留していました。
近くにあった豚小屋に毎日のように行っては、鼻をつまんで、恐る恐るその臭いを嗅いだものです。
私にとって海はいつも夏の友達でした。
海は広いな大きいな♪ですから、とてつもなく大きいのかというところから、講義が始まりました。
確かに表面積からみると大きいようですが、体積に換算すると地球体積の0.7%にすぎないとは驚きでした。
今問題の二酸化炭素を固定してくれているのは海水の大きな働きです。
そして、海で泳ぐとき足に絡まって邪魔者扱いしていた海藻類がそれ以上に大きな働きをしていることは初耳でした。炭素の固定に大活躍してくれている植物に、アマモ類、アシ、ヨシ類、マングローブがあるそうです。
彼らは、死んでも分解されず、海底に堆積されて炭素を留めてくれているとは、どなたかの計画でもなければ、有り得ないことです。
何の知識もなければ、自然は自然のままにと思ってしまいがちです。
でも、現実は違うようです。
人間がちょっと手を貸してあげないと自然は破壊されていく一途だということを、アシ、ヨシの原の保全をされている地方の映像で観ました。
放っておいたら雑木林になってしまうそうです。
その証拠に、アマゾン流域などは、手つかずの自然かと思いきや、今や生態系サービスに貢献できない地域になりつつあるといいます。
世界的に多様性に危機が迫っているというのに、日本は恵まれている方だと前回の講座でも伺ったところです。
今回の講座でも、日本海域が変化に富んでいる故に、海域の生物多様性が大きいことを知りました。
日本がいかに特殊な任務を帯びた場所であるかをあらためて思い知り、日本にいのち授かったことにもっと感謝しなくてはという思いを深くしたことです。
「 海は広いな大きいな
月がのぼるし日がしずむ
海は大波青い波
揺れてどこまで続くやら
海にお舟を浮かばして
行ってみたいなよその国」
この夏こそ、波の音に負けない声で水平線に向かって歌いたいなぁ。