こころあそびの記

日常に小さな感動を

スイカの故郷に思いを馳せて


 今朝の収穫。どんなに暑くても子孫のために、必死に実らせる植物はえらいなぁと我が身を振り返る朝です。
 

 こんな暑さを乗り切る切り札は「西瓜」です。
 スーパーでは、熊本から始まった産地が北上して、鳥取の大栄スイカも終わりに近づき、石川産が並ぶようになりました。
 まだ、あと2ヶ月。私たちの体を熱暑から守るために実り続けてとお願いします。
 

 スイカは「西瓜」と書くくらいですから、西方の砂漠地帯からやってきました。
 高温乾燥地帯に生きる人に与えられた神様からの贈り物だとしか思えません。
 その性味は「寒、甘、潤、降」です。
 つまり、体を潤すとともに、余分な熱をおしっこで体外に排出してくれます。
 えっ?おしっこにそんな働きがあるの?と思われましたか?
 体内に籠もった熱のはけ口は、尿、汗、便、経血など複数のルートがあります。
 この時期は汗をかくことが身を守ります。汗が出ないと熱中症の危険が迫ります。更に、重症になれば、気の喪失により毛穴が開いて、大汗が出ます。
 そうなる前に、役立つのが、「西瓜」です。
 スイカは捨てるところがないといわれる果実です。
 フルーツジュースコーナーでスイカジュースを見かけます。それもいいですね。
 テレビで、高山なおみさんが、赤色の甘いところを食べた後、緑色の濃い外側の皮を切り捨てて、白色の部分をイタリアンドレッシングをかけて召し上がっていました。
 そうでした。梁平(リャンピン)先生の薬膳料理でも習いました。それは、細切りにして、トマトと一緒に炒める料理だったと記憶しています。
 赤色のところより、白色の部分の方が清熱作用は強いそうです。
 昔、この部分をぬか漬けにして夏の朝ご飯に出したのは、理に適っていたのです。それは、情報から仕入れた仕事ではなく、体の声を大切にしたらそうなったというシンプルな発想であるところに感心するのです。

 今朝の収穫の中にお化け胡瓜があります。
 「胡瓜」も瓜類ですから、西からやってきました。
 「胡」は北方、西方の異民族を表す字です。中国は常に西北の異民族に襲われ続けた歴史を持っています。
 殴られたら殴り返す。
 人間は姿形は同じですが、生き方は一様でないことの原因は長い歴史の中にあると感じます。
 DNAに組み込まれた祖先からの思い。
 昨今の世界の動きは、世の中が落ち着いたからこそ、もたげてきた彼らの思いであるように思うのです。