こころあそびの記

日常に小さな感動を

露草の青

 露草や 飯噴くまでの門歩き  久女

 あの猛烈な熱ダッシュから少し落ち着いて凌ぎよい朝を迎えました。 
 孫たちの期末試験も最終日。お弁当作りの再開です。
 お湯を沸かしている間に、朝刊を取りに外へ出ると瑠璃色の花が静かに咲いていました。
 草刈りのたびに刈られ、群れて咲くことはなくなりましたが、それでもいのちを繋いで、こうやって夏の朝の気分を涼やかにしてくれる露草です。

 視界を横切る蜻蛉につられて、空を見上げると青い空に白い雲。
 夏は雲の峰。つまり積乱雲は夏の雲という思い込みがありますが、そんなことはないそうで、どの季節にも条件がそろえば発生するとのことです。

 雲が沸くには、暖かい空気の中の水蒸気が、上昇気流に乗って上空に舞い上がり、冷やされて水滴になることが必要です。
 夏場の上昇気流は灼熱の太陽光線によって起こります。

 アフリカ象が、干上がった川底を掘って水を飲む姿をテレビで見ました。空気中に一滴の水蒸気もなければ、雲は発生出来ない過酷さを知り、海洋国日本という土地を有り難いことと思いました。

 しかし、空に浮かぶ雲のすべてが雨を降らせるわけではなくて、殆どは消えてなくなるから、「雲散霧消」という言葉があるのだとか。
 雨を降らせる雲の水滴はとても小さくて間隙も大きいそうです。
 だから、雲の中に居るという感覚になれます。
  
 小学校のとき、比叡山ドライブウェイで八瀬遊園に行ったことを作文に書きました。
 「雲をつかみました」と綴ったら、先生が赤いラインを入れてくださったことを覚えています。初めての霧の体験が、町の子の私には新鮮だったようです。
 

 夏雲はお天気を決める鍵です。
 そして、その鍵を開けるのは、太陽です。
 7月の上旬、まさに今、地球は太陽からもっとも遠い遠日点を通過中。
 なんで遠いのに一番暑いの?
 それは真上から照射する季節であるからといわれます。
 大自然の作り出す不思議が、連日繰り出されていることに思いを馳せると、目の前のことが雲散霧消しそうに思えませんか。