こころあそびの記

日常に小さな感動を

昭和のガッツ!

 守口に用事があって、さてさてどのルートで行こうかとプランを練ることから始めるのが私流です。
 ナビで探ると、いくつもあるルートの中に、モノレールという経路が表示されました。
 「そうだ!それで行ってみよう」
 あの悠長な走りと遠くまで見渡せる視線の高さが、のんびり気分の日曜日の朝にぴったりです。
 ちょっとだけ近づいた青空のもと、北摂山系が遠のく様子を見ていたら、あっという間に着いてしまいました。  


 さて、産経新聞『話の肖像画』に、しばらく連載されていた木村清さんの巻が本日、最終回を迎えました。
 木村清さんといっても直ぐに分かる人は稀でしょう。
 「すしざんまい」喜代村社長で、マグロを高額で競り落とす有名な人といえば、あぁと思い当たるかもしれません。
 昭和という時代を生き抜いた人の中に、まだこういう荒っぽい立志伝中の人と呼べる方がいらっしゃることに、同い年の者として面はゆいような誇らしいような気持ちになりました。

 裸一貫から名を残すまでになられた木村社長の人生は興味深いものでした。
 昨今は社会が整い過ぎて、木村社長のような豪気は影を潜めてしまったようで味気ない気がしないでもありません。

 今朝の最終回は、あらためてお母様への感謝が綴られていました。
 たった二切れのマグロの刺身を家族四人で分け合った時、「みんなで食べれば喜びも四倍になる」と教えてくれた母の言葉が、一生懸命働く原点になっているとおっしゃっています。

 豊かになった現代。
 子供には偉人伝を読ませるようにいわれますが、「なんだ、偉人はみんな貧乏な人やったんや」という感想で終わるのがオチです。
 物の時代が終わり、若者は物に対するガッツではない何かを求めて彷徨います。それが何なのかは誰にもわからないけど、誰もがうすうす感じているものの正体が今世紀末には見えてきます。

 地球という生命体、ガイア理論を提唱したジェームズ・ラブロック氏が103歳でお亡くなりになりました。
 彼の最新刊『ノヴァセン』に、時代は新しい段階に入ると書いてあります。
 物を奪い合うだけの世の中から、人間とAIが協調する時代へ。高度に進化した時代がやってきます。