こころあそびの記

日常に小さな感動を

明日は立秋


 
 明日は立秋
 暦の軸である二至(夏至冬至)、二分(春分秋分)、四立(立春立夏立秋立冬)を、決めて四季の移り変わりを知り、農事に生かしたことが始まりです。
 
 立秋といえば、だれでもこの歌を思い浮かべます。

 秋来ぬと目にはさやかに見えねども
 風のおとにぞおどほかれぬる
             藤原敏行

 この歌は視覚ではなく、聴覚で感じて捉える。でもその聴覚とは耳だけでなく、気配という微妙で捉えがたいものを捉える感覚です。

 しかし、『日本の詩歌』(大岡信著)にちょっと面白いことが記されていました。
 古今和歌集が編纂された平安時代、男性は良家の娘と結婚することが手っ取り早い昇進の方法でした。
 そんなことから、平安時代は噂話に花咲いたといいます。
 都を賑わせたものが男女の噂話だったとは、貴族のイメージを崩れさせるし、今も昔も人は噂好きであることに変わりないとは面白いことです。
 進化してるようで、全く変わらないのが本性なのですね。

 ここ数日、荒天が局地的に起こります。
 今年の夏と秋の綱引きは激しい争いを繰り広げそう。立秋だからと、そう簡単に季節の明け渡しはできません。
 そんな風に思わせながら、ふと、気づいたら「風の音におどろかされる」秋が後ろからこっそりついて来ているものです。
 今年の小さい秋に気づく日はいつになるでしょう。