「夏の入道雲と秋の筋雲の共演です」と立秋の空を知り合いに送ったら、「観覧車が見えていますね。どこですか?」と返信あり。
「アドベンチャーワールド」に来ていることがばれてしまいました。
行き交う親子連れの「これは、一日で回りきれないな」という言葉が、聞こえてくる広い園内。でも、私達は大丈夫。
通い慣れ、勝手知りたるアドベンチャー。
舐めるように園内を楽しみました。
しかし、ここでも各所でコロナの影響が波及していました。
まず、開園前に並んでる人の数です。
コロナ前の半分くらいでした。そのためか、開園時間も10時と遅め。ゲストにはありがたいゆったり感が、経営には痛手であろうと推測できました。
それはそうと、アドベンチャーといえば、パンダのイメージで売り出していますが、実のところ、有名どころの動物はすべてといっていいくらいに飼育されています。
一体どれだけの手がかかっているのでしょう。一匹一匹に向き合う飼育員さんの愛がなければ成り立ちません。愛が溢れる動物園です。
アメリカの国鳥、ハクトウワシ。
鋭い目がアメリカン魂を象徴しているように見えます。
シロサイ。
隣にはクロサイが住んでいます。色に違いがないように思っていたら、名前の由来が書いてありました。
「 wide rhinoceros」の「wide」を「white」と聞き間違え、訳し間違えたことから、「シロサイ」と呼ばれるようになったとか。
フーディングのときに開いてくれるお口は本当にワイドで、かわいらしいです。
その上、優しい目をしているから、とても中村元さんの名訳「犀の角ようにただ独り歩め」といった厳しさとは結びつきません。
カバもいます。この子も呼び物はフーディングです。うまく時間が合って、孫が体験させてもらえました。
「楽しかった?」
「楽しくない」
なぜかと親に尋ねたら、カバの大きな口に餌をうまく放り込めなくて、悔しかったみたいです。それにしてもデッカイお口。歯医者さんがイメージキャラクターにされるはずです。
最後は、イルカのナイトマリンライブ『LOVES』です。
平原綾香さんの歌声にのせてイルカと人がパフォーマンスを繰り広げます。
ただ、今回は目の悪い私にも、コロナ前とは一変したことが分かりました。
三年も空いたら、あの重労働に耐えるモチベーションが喪失してしまって当たり前です。
メンバーを総入れ替えして、新しい演目です。それでも、客席は大方がこのショーの常連ファンのようで、「アンコール!」の拍手も堂に入ったものでした。
私もあの頑張りを心から応援している一人です。
ナイトショーならではの輝く花火が爆音を響かせてラストを迎えます。
そのとき、後ろの方から「戦争を思い出す」という声が聞こえてきました。
ドン!となった花火だ きれいだな
空いっぱいに広がって~♪
世の中が平和になってすべての人々が、花火を花火として楽しめるようになってほしいと切なる願いを抱き直しました。
イルカショーの最後に大画面に表れた、
「世界中に愛が溢れますように」
というメッセージが来場者の胸に刻まれますように。