こころあそびの記

日常に小さな感動を

樹木の秋模様

 庭の桜の木の下に黄変した葉が落ち始めました。
 樹上ではまたまだ頑張っている緑葉も多いのに、力尽きて散っていく葉に感慨を覚えるとは。物思う秋の始まりを感じます。

 アジサイのうち、木陰に咲いていたものが、渋い色のドライフラワーになっています。
 アジサイの味わいは、雨の中の七色だけではなく、乾燥していく秋の色、さらに冬の色まで続くとどこかに書いてありました。
 だから、剪定の時期に迷うのです。
 地上部を閉じて冬眠に入る日まで、見守りたいと思います。

 樹木の賢さは自分の身の丈を知っているところかと思います。
 低木と高木。広葉樹と針葉樹。常緑樹と落葉樹。
 生きる場所を間違うことはありません。
 桜の木も百日紅も誰に教えられたわけでもないでしょうに、決められた大きさで成長を止めます。
 決して好き放題な成長はありません。隣の枝どおしで話しをしているのかと思うくらい、ピタッと伸張を止めます。
 
 写真のユリノキは剪定をしなくても美しい樹形が保てるというところから、近頃は街路樹に使われることが多くなりました。 
 春にはチューリップ形の花を咲かせるからチューリップツリーとも呼ばれます。
 大阪市立大学付属植物園で心そそられたユリノキ。どこかにないかと探していたら、職場の、それも目の前にありました。
 これぞ、「木」です。という絵に描いたような樹形です。
 こうやって遠くから全形が見られるのも街路樹の楽しみです。公園に植わっていれば、混み合って、この木がこんなに美しい姿をしていることはわかりづらいことです。
 

 葉っぱが落ちて、実が生って、これからが楽しみです。やっこ形の葉っぱが、せめてもの自己主張です。見つけてあげてくださいね。
 
 街路樹の衣替えや実りが、目を楽しませてくれる秋です。