こころあそびの記

日常に小さな感動を

中秋の名月

 宮崎にやってきました。

 バスを待つ間に絵葉書を書いて、さて、ポストに投函しようと、赤い色を探したのですが見当たりません。

 やれやれ、また、老眼が酷くなったのかと、観光案内所で尋ねたら、「出て直ぐのところに日向夏の形のポストがありますよ」と教えてくださいました。

 ほんとだ!黄色のポスト!まん丸っちい!形も色も宮崎仕様でした。

 あぁ、宮崎に来たんだなと思えるから、これもありですね。

 雨予報が見事に外れて、お月様が望めた所が多かったようですね。

 ここ宮崎の平和台公園には、真っ赤に燃えたお月様が上ってきました。

 旧暦8月15日の本日に満月が観られることは珍しいことです。しかも、たくさんの場所で輝いたわけですから、見た人の胸に残るお月様だったのではないでしょうか。

 今日、ある教授に拝聴したお話から。

 子供の頃は、旧暦と現行暦の違いが分かっていなかったから、9月15日の月がなぜ満月でないのか、分からなかった。という話はどなたも経験たのではないでしょうか。

 しばらくして、大学生の卒論をかくため、宮古島に滞在中、気づいたことは、町では人工の灯りで夜も明るいけれど、島では月明かりがない日は真っ暗だと知ったそうです。

 まさに、月夜と闇夜の違いを若いときに知ってしまったから、その道(文化人類学)に導かれて進まれたのだと思いました。

 

 それから、宮古島から沖縄にかけての興味深い風習に「十五夜綱引き」があるそうです。

 夏休みに入ると男の子は「十五夜お賽銭下さい」と家々を回って、綱引きの賞品にする、ノートや鉛筆の寄付集めをするそうです。

 今頃、沖縄では「綱引き」大会してお月見してるのかな。

 中国では、月餅を食べ、韓国では墓参り。

 風習は違えども、今、アジアの人たちはお月見の夜を過ごしています。その心は一つです。

 「千里同風」。

 千里離れていても、眺める月は一つの夜が静かに更けていきます。